DATCOM 4.5.1.1 に基づいて、全機(主翼+胴体+尾翼)の揚力傾斜を計算する。
はじめに
DATCOM 4.5.1.1 に基づいて、全機(主翼+胴体+尾翼)の揚力傾斜を計算する方法について説明する。
PDFは1286ページ
Method 1
Wing-Body-Tail形態の3次元揚力傾斜は以下の式で表される。
\begin{align}
C_{L_{\alpha}}=
&\left(C_{L_{\alpha}}\right)'_{e}[K_{_N}+K_{_W(B)}+K_{_B(W)}]'\frac{S_{e}'}{S'}\\\\
&+\left(C_{L_{\alpha}}\right)''_{e}[K_{_W(B)}+K_{_B(W)}]''\left(1-\frac{\partial \overline{\epsilon}}{\partial \alpha}\right)\frac{q''}{q_{\infty}}\frac{S_{e}''}{S'}
\end{align}
ここで
文字 | 単位 | 説明 |
\(C_{L_{\alpha}}\) | 1/rad | Wing-Body-Tail形態の3次元揚力傾斜 |
\(\left(C_{L_{\alpha}}\right)_{e}'\)、\(\left(C_{L_{\alpha}}\right)_{e}''\) | 1/rad | 前方(')および後方(")の翼の3次元揚力傾斜 DATCOM 4.1.3.2で計算する。 |
\([K_{_N}+K_{_W(B)}+K_{_B(W)}]'\) | - | 前方の翼に対する翼胴の干渉係数 DATCOM 4.3.1.2で計算する。 |
\([K_{_W(B)}+K_{_B(W)}]''\) | - | 後方の翼に対する翼胴の干渉係数 DATCOM 4.3.1.2で計算する。 |
\(\frac{\partial \overline{\epsilon}}{\partial \alpha}\) | - | 吹き下ろしの変化率 DATCOM 4.4.1で計算する |
\(\frac{q''}{q_{\infty}}\) | - | 後方の翼における動圧比 DATCOM 4.4.1で計算する |
\(S_{e}’\)、\(S_{e}’’\) | ㎡ | 前方(‘)および後方(“)の翼の翼面積(胴体内部を除く) |
reference
-
制限
この計算式を使う際の注意点は以下の通り
- 失速よりも迎角が小さい範囲であること(胴体の揚力は迎角の2乗に比例するが、迎角が小さい範囲では全機の揚力傾斜に与える影響は小さい)
- 前方に位置する翼の方がスパンが大きいこと(先尾翼機ではないこと)
Sample
OpenVSPのExample FileにあるPod Planeについて、実際に計算してみる
↓計算に使用したエクセルファイル(マクロ付き)
DATCOM_SUBSONIC.xlsm
1 ファイル 270.95 KB
↓計算結果
以上
おわりに
DATCOM 4.5.1.1 に基づいて、全機(主翼+胴体+尾翼)の揚力傾斜を計算した。
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