数値流体力学のおすすめ参考書

大学院の研究でCFDを使うことになったときに参考にした書籍を紹介する

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OpenFOAMによる熱移動と流れの数値解析(第2版)

オープンソースのCFD解析ソフトであるOpenFOAMについての最新の解説書

日本語で書かれた数少ないOpenFOAMの書籍であり,2021年3月に発売された第2版はv2006に対応している

OpenFOAMを使っている人にとっては最適な入門書である

「第5章 OpenFOAMのための数値流体力学」は,CFDを使う上で最低限必要な知識と数式がコンパクトにまとめられているので,OpenFOAM以外のCFDソフトを使っている人でもとりあえず読んでみる価値はある

記述のシンプルさが,修論の「数値計算手法」の章を書くときの参考になる

数値流体力学ハンドブック 小林 敏雄

鈍器

ハンドブックと銘打ってある通り,CFDの「ユーザー」に向けた書籍である

数値流体力学を使うときに必要な知識が,ほぼすべて網羅的に,理解できないほど難解ではなく,痒い所に手が届く程度に詳しくまとめてある

CFDを実際に使ってみる前に,自分が必要そうな項目に目を通しておくといい

乱流の数値シミュレーション 改訂版 梶島岳夫

まえがきより引用

この本は,乱流の数値シミュレーションに用いられる数値解法とモデルを実用本位に解説したもので,非定常の乱流現象を精度良く解析することを一貫したテーマとする.読書としては,大学上級から大学院の学生,および流れの数値計算の実務に当たる技術者を想定している.

乱流の数値シミュレーション 梶島岳夫 まえがき

内容は前半の「非圧縮流れの数値計算法」と後半の「乱流の数値シミュレーション」に分けられる

まえがきに書いてある通り,大学院生や実務に当たる技術者向けに実用本位に解説してあるので,必要な知識の範囲と深さを良い感じにバランスしてくれている

先に紹介した2冊の本で一通りの知識とスキルを身に着けたうえで,本腰入れて数値計算について勉強したいときに読むのがいい

1999年に出版された第1版と2014年に出版された改訂版があるが,内容が大きく違うので2014年の改訂版をおすすめする

数値流体力学シリーズ3 乱流解析 東京大学出版会

まえがきより引用

このように本巻では,乱流解析の多様なモデリングと解析技術を,広範かつ詳しく解説している.(中略)おそらく乱流の数値解析を,乱流モデルを中心に,これだけ体系化して解説した成書は他にないであろう.

数値流体力学シリーズ3 乱流解析 東京大学出版会 まえがき

内容は,乱流現象の概説からRANSの渦粘性モデル,応力方程式モデル,LES,DNS,乱流解析の結果から熱移動を伴う乱流解析まで多岐にわたる

乱流について本当に広範囲を詳しく書いてあるので,最初から読んですべてを理解するというよりは,必要に応じて辞書的に活用するのがいい

知りたいことからの逆引き

数値流体力学の解説書はいろいろありすぎてどれがいいのかよくわからないので,どの本に何が書いてあるのかをざっくりと記しておく

文献番号
  1. OpenFOAMによる熱移動と流れの数値解析(第2版)
  2. 数値流体力学ハンドブック
  3. 乱流の数値シミュレーション 改訂版
  4. 数値流体力学シリーズ3 乱流解析
文献概要RANSLESMAC法SIMPLE法離散化境界条件
1\(\S\)2
pp.8-33
\(\S\)5.7
pp.158-172
\(\S\)5.4, 5.5
pp.142-145
\(\S\)5.6
pp.146-157
\(\S\)5.2
pp.138-149
2\(\S\)1
pp.1-18
\(\S\)4.2, 4.3
pp.126-151
\(\S\)4.6
pp.169-184
\(\S\)2.2
pp.34-43
\(\S\)2.3
pp.44-57
\(\S\)2.3.5
p.50
3\(\S\)1
pp.3-22
\(\S\)6
pp.177-206
\(\S\)7
pp.207-244
\(\S\)3
pp.55-124
\(\S\)2
pp.23-54
\(\S\)3.8
pp.102-117
4\(\S\)2, 3
pp.21-66
\(\S\)4
pp.67-118
RANSについて

概要をサラッと知りたいなら「OpenFOAMによる熱移動と流れの数値解析(第2版)」,しっかり学びたいなら「乱流の数値シミュレーション 改訂版」,乱流モデルを研究対象にするなら「数値流体力学シリーズ3 乱流解析」

LESについて

「乱流の数値シミュレーション 改訂版」がメイン

ほかの2冊は発行年が古く(2003年頃),LESについての研究がまだまとまりきっていない

SIMPLE法,MAC法

「数値流体力学ハンドブック」が両方の解法についてバランスよく説明してくれている

MAC法を使ったCFDソフトウェアを使っているなら「乱流の数値シミュレーション 改訂版」を読んでみてもいい

離散化スキーム

「OpenFOAMによる熱移動と流れの数値解析(第2版)」でいろいろなスキームが紹介されているのでおすすめ

より高次の差分スキームが知りたいなら「乱流の数値シミュレーション 改訂版」

境界条件

「数値流体力学ハンドブック」や「OpenFOAMによる熱移動と流れの数値解析(第2版)」で具体的な設定方法が示されている

より詳しく厳密に知りたいなら「乱流の数値シミュレーション 改訂版」

まとめ

大学院の研究でCFDを使うことになったときに参考にした書籍を紹介した

研究生活の第一歩として役立てば幸いである

↓これらの書籍をもとにして書いた記事

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