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DATCOM 4.3.1.2 翼+胴体の揚力傾斜

DATCOM 4.3.1.2 に基づいて、翼胴の揚力傾斜を計算する。

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はじめに

DATCOM 4.3.1.2 に基づいて、翼胴の揚力傾斜を計算する。

PDFのページは1036ページ

Method 1

翼胴の3次元揚力傾斜は以下の2通りの式で計算する。

①胴体に対する翼の取付角が固定されていて、翼と胴体がひとまとめで迎角が変化する場合

\begin{align}
\left(C_{L_{\alpha}}\right)_{_{WB}}&=\left[K_{_N}+K_{_{W(B)}}+K_{_{B(W)}}\right]\left(C_{L_{\alpha}}\right)_{e}\frac{S_{e}}{S_{_W}} \\\\
K_{_N}&=\frac{\left(C_{L_{\alpha}}\right)_{_N}S_{_{N_{ref}}}}{\left(C_{L_{\alpha}}\right)_{e}S_{_{W}}}
\end{align}

②胴体に対する迎角は固定されたままで、胴体に対する翼の取付角のみが変化する場合(オールフライングの水平尾翼など)

\begin{align}
\left(C_{L_{\alpha}}\right)_{_{WB}}=\left[k_{_{W(B)}}+k_{_{B(W)}}\right]\left(C_{L_{\alpha}}\right)_{e}\frac{S_{e}}{S_{_W}}
\end{align}

ここで

文字単位説明
\(S_{_{W}}\)トータルの翼の投影面積。
\(S_{e}\)Exposed Wingの翼面積。Sketch(d)を参照。
\(\left(C_{L_{\alpha}}\right)_{e}\)1/radExposed Wingの3次元揚力傾斜。
Exposed Wingの翼面積とアスペクト比を用いてDATCOM 4.1.3.2で計算する。
\(\left(C_{L_{\alpha}}\right)_{_N}\)1/rad胴体のノーズ部分の揚力傾斜。
ほとんどのケースでは2 [1/rad]を使用して良い。
より正確にはDATCOM 4.2.1.1で計算する。
\(S_{_{N_{ref}}}\)胴体のノーズ部分の揚力傾斜の基準面積。
通常は\(\pi r^2\)。
\(K_{_N}\)-翼の揚力傾斜に対するノーズ部分の揚力傾斜を表す係数。
\(K_{_{W(B)}}\)-胴体があることによる翼の揚力傾斜への影響を表す係数。
FIGURE 4.3.1.2-10から求める。
\(K_{_{B(W)}}\)-翼の揚力傾斜に対する胴体の揚力傾斜を表す係数。
FIGURE 4.3.1.2-10から求める。
\(k_{_{W(B)}}\)-\(K_{_{W(B)}}\)に同じ。
FIGURE 4.3.1.2-12aから求める。
\(k_{_{B(W)}}\)-\(K_{_{B(W)}}\)に同じ。
FIGURE 4.3.1.2-12aから求める。

Exposed Wingは以下の2通りで定義する。

  • 胴体の円柱部に翼がある場合:翼から胴体を取り除く。
  • 胴体の拡大部に翼がある場合:翼から胴体の最大半径分を取り除く。

reference

-

制限

この手法における注意点は以下の通り。

  • Sketch(d)のような機体であること。(Sketch(c)のような機体は別の手法で計算する。)
  • 胴体の半径がセミスパンの80%を超えないこと。
  • 遷音速域であること。

Sample

OpenVSPのExample FileにあるPod Planeについて、実際に計算してみる

↓計算に使用したエクセルファイル(マクロ付き)

↓計算結果

おわりに

DATCOM 4.3.1.2 に基づいて、翼胴の揚力傾斜を計算した。

↓次

4.5.1.1

DATCOM
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