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DATCOM 4.1.3.4 3次元翼の最大揚力係数の計算

DATCOM 4.1.3.4 に基づいて、3次元翼の最大揚力係数を計算する。

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はじめに

DATCOM 4.1.3.4 に基づいて、3次元翼の最大揚力係数を計算する。

PDFのページは625ページ

Method 1

3次元翼の最大揚力係数は以下の手順で計算する。

  1. スパン全体について、適切なマッハ数と局所Re数を用いて断面の2次元最大揚力係数\(c_{l_{max}}\)を計算し、スパン方向の無次元数\(\eta=y/(b/2)\)についてプロットする。
  2. LLT(Lifting Line Theory:揚力線理論)やVLM(Vortex Lattice Method:渦格子法)で大迎角までのスパン方向の\(c_{l}\)計算する
  3. STEP 1でプロットした2次元最大揚力係数\(c_{l_{max}}\)とSTEP 2で計算した\(c_{l}\)が交差する最小の迎角\(\alpha_{C_{L_{max}}}\)を求める。
  4. \(\alpha_{C_{L_{max}}}\)におけるスパン方向荷重を積分し、3次元の最大揚力係数\(C_{L_{max}}\)を求める。
DATCOM p.627

ここで

文字単位説明
\(c_{l_{max}}\)-2次元最大揚力係数。
DATCOM 4.1.1.4で求める。
\(\alpha_{C_{L_{max}}}\)deg初期失速が始まる迎角。
\(C_{L_{max}}\)-3次元最大揚力係数。

reference

-

制限

この手法における注意点は以下の通り

  • 後退角の大きな翼には使えない(前縁剥離渦の影響が出てくるため)
  • 失速が最初に起こるスパン方向位置は翼根/翼端から1コード長分離れていること

Sample

OpenVSPのExample FileにあるPod Planeについて、実際に計算してみる。

↓計算に使用したエクセルファイル(マクロ付き)

主翼翼型はNACA4412

 文字   値   単位 説明
\(c_{MAC}\)2.167m平均空力翼弦長(MAC)。
DATCOM 2.2.2で計算する。
\(Re\)\(4.4\times 10^6\)-MAC基準のRe数。
STEP1

DATCOM 4.1.1.4をもとに、スパン方向の局所Re数から2次元最大揚力傾斜を計算し、\(\eta=y/(b/2)\)についてプロットする。

\(eta\)\(c\)\(Re_{local}\)\(c_{l_{max}}\)
0.0382.9226.0.E+061.708
0.1212.7545.7.E+061.700
0.2152.5665.3.E+061.691
0.3152.3624.9.E+061.679
0.4192.1534.4.E+061.667
0.5211.9474.0.E+061.654
0.6171.7553.6.E+061.640
0.7041.5823.2.E+061.626
0.7781.4332.9.E+061.615
0.8401.3092.7.E+061.615
0.8911.2082.5.E+061.615
0.9311.1292.3.E+061.615
0.9621.0672.2.E+061.615
0.9861.0202.1.E+061.615
STEP 2

今回はVLMを用いて主翼の\(\alpha=0 \sim 20\) [deg]までのスパン方向荷重を計算した。

クリックして詳細を確認
STEP 3

STEP2の計算結果に対して、Excelの線形補間とゴールシーク機能を組み合わせ、\(c_{l_{max}}\)と\(c_{l}\)の差分\(\Delta\)が0になる最小の迎角\(\alpha_{C_{L_{max}}}\)を計算したところ、\(\alpha_{C_{L_{max}}}=15.160\) [deg]となった

\(\eta\)\(c_{l_{max}}\)\(c_{l}\)\(\Delta\)
0.0381.7081.291-0.417
0.1211.7001.370-0.330
0.2151.6911.448-0.242
0.3151.6791.519-0.161
0.4191.6671.575-0.092
0.5211.6541.610-0.043
0.6171.6401.634-0.006
0.7041.6261.6250.000
0.7781.6151.595-0.021
0.8401.6151.526-0.089
0.8911.6151.410-0.205
0.9311.6151.242-0.374
0.9621.6151.054-0.561
0.9861.6150.727-0.888
STEP4

\(\alpha_{C_{L_{max}}}=15.160\) [deg]のとき、VLMの計算結果より\(C_{L_{max}}=1.476\)となった

おわりに

DATCOM 4.1.3.4 に基づいて、3次元翼の最大揚力係数を計算した。

↓次

DATCOM
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