本記事では、自家用操縦士(上級滑空機)を目指す学習者向けに、航空法体系についての全体像を整理する。
はじめに
自家用操縦士(上滑)のライセンス取得を目標として、航空法体系の概要について説明する。
なお、この記事の内容は筆者がAIM-J、航空法、航空法施行規則などをもとにまとめたものである
記述の参考とした文献を記しているので、より詳細な記述や原文を確認したい場合はそちらを参照のこと
それではいってみよう
航空法体系の概要
航空に関するルールは、単一の法律だけで完結しているわけではなく、
国際条約 → 国際基準 → 国内法 → 省令 → 告示/通達
という階層構造で整理されている。

国際条約
航空機は国境を越えて運航されるため、最上位には国際的な合意が存在する。
その頂点にあるのが、国際民間航空条約(シカゴ条約)である
シカゴ条約では
- 国際民間航空の安全で秩序ある発展
- 不合理な差別や摩擦の回避
- 共通ルールによる航空の円滑化
といった目的が前文に明示されている。
ICAO(国際民間航空機関) は、シカゴ条約に基づいて設立された国際機関であり、シカゴ条約に基づいて 国際標準および勧告方式(SARPs:Standards and Recommended Practices)を採択し、シカゴ条約の附属書(Annex)として整備する役割を担っている。
各締約国は 原則としてAnnexに準拠する ことが求められ、日本の航空法もこの「Annex に準拠する」という姿勢が 航空法第1条 に明記されている。
国内法体系の中での役割分担
国内法側では、以下に示すような役割分担がある。
| 区分 | 位置づけ | 役割 |
|---|---|---|
| 航空法 | 法律 | 基本原則・義務・禁止事項を定める |
| 航空法施行規則 | 省令 | 法律の委任を受けて具体的条件を規定する |
| 告示/通達 | 告示/通達 | 告示:法令の委任に基づいて一定の事項を広く公に知らせる 通達:法令や告示の解釈、運用方針、審査方法等を行政内部に示す |
| サーキュラー等 | 運用文書 | 解釈・運用上の統一のため通達などを体系的に整理する |
たとえば耐空性の分野では、
- 航空法で「耐空証明が必要」と定め
- 施行規則で耐空類別や手続きを規定し
- 耐空性審査要領などの告示/通達で技術的な判断基準を示し
- サーキュラーで運用上の解釈を補足する
という形で、段階的に具体化されている。
- 航空機は国境をまたいで運用されるため、国際民間航空条約(シカゴ条約)によって取り決めがなされている
- シカゴ条約に基づいて設立された ICAO(国際民間航空機関)は、各国の航空法のベースとなる 国際標準および勧告方式(SARPs)を採択し、シカゴ条約の附属書(Annex)として整備しており、日本の航空法もこれに準拠して制定されている
- 国内の航空法体系は、航空法(法律)> 航空法施行規則(省令)>告示/通達 >サーキュラー によって構成されており、航空機の運用について段階的に具体化されている
まずは、最上位の取り決めである国際民間航空条約(シカゴ条約)から説明していく
国際民間航空条約(シカゴ条約)

国際民間航空条約(Convention on International Civil Aviation)、通称 シカゴ条約 は、1944年12月にアメリカ・シカゴで採択された多国間条約であり、今日の国際民間航空の基礎となる 最上位の国際ルール である。
>国際民間航空条約
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S38-T2-1149_1.pdf
シカゴ条約は 「国際民間航空がどうあるべきか」 という最も基本的な理念・方向性を定めており、以降の国際標準や各国の国内法はこの条約の枠組みを前提に構築されている。
前文
匡際民間航空の将来の発達は、世界の各国及び各国民の間における友好と理解を創造し、且つ、維持することを大いに助長することができるが、国際民間航空の濫用は、一般的安全に対する脅威となることがあるので、また、各国及び各国民の間における摩擦を避け、且つ、世界平和の基礎である各国及び各国民の間における協力を促進することが望ましいので、よって、下名の政府は、国際民間航空が安全に且つ整然と発達するように、また、国際航空運送業務が機会均等主義に基いて確立されて健全且つ経済的に運営されるように、一定の原則及び取極について合意し、その目的のためこの条約を締結した。
国際民間航空条約
国際民間航空が将来に向けて発展することは、世界の国どうし、また人びとどうしの友好と相互理解を生み出し、それを保つうえで大きな助けになる。
一方で、国際民間航空が不適切に使われると、公共の安全を脅かすおそれがある。
そのため、国どうしや人びとどうしの間に無用な対立が生じるのを防ぎ、世界平和の基盤となる協力関係を強めることが重要である。
このような考えから、各国政府は、国際民間航空が安全で秩序だった形で発展すること、また国際航空運送事業が、特定の国や事業者に偏らない公平な条件のもとで確立され、安全かつ経済的に運営されることを目的として、一定の共通原則と取り決めについて合意し、その実現のためにこの条約を結んだ。
シカゴ条約の構成
シカゴ条約は、多数の章から構成されるが、理解すべきポイントは次の通りである。
- 第六章 国際標準及び勧告方式
- 第37条/第38条:国際標準及び勧告方式(SARPs:Standards and Recommended Practices)をどう採択し、どのように各国が対応すべきかを規定している。
- 第七章 機関
- 第43条:国際民間航空機関(ICAO)を設立し、総会・理事会・その他の必要な機関 で構成する と規定している
- 第44条:国際民間航空機関(ICAO)の目的を列挙している。
- 第九章 理事会
- 第54条:理事会の義務として、国際標準及び勧告方式(SARPs)を採択し、シカゴ条約の附属書として整備することが規定されている。
第37条 国際の標準及び手続の採択
第三十七条 (国際の標準及び手続の採択)
各締約国は、航空機、航空従事者、航空路及び附属業務に関する規則、標準、手続及び組織の実行可能な最高度の統一を、その統一が航空を容易にし、且つ、改善するすべての事項について確保することに協力することを約束する。
このため、国際民間航空機関は、次の事項に関する国際標準並びに勧告される方式及び手続を払要に応じて随時採択し、及び改正する。
(a) 通信組織及び航空保安施設(地上標識を含む。)
(b) 空港及び着陸場の性質
(c) 航空規則及び航空交通管制方式
(d) 運航関係及び整備関係の航空従事者の免許
(e) 航空機の耐空性
(f) 航空機の登録及び識別
(g) 気象情報の収集及び交換
(h) 航空日航
(i) 航空地図及び航空図
(j) 税関及び出入国の手続
(k) 遭難航空機及び事故の調査並びに航空の安全、正確及び能率に関係のあるその他の事項で随時適当と認めるもの
国際民間航空条約
各締約国は、航空機、航空従事者、航空路、そしてそれに付随する業務について、実際に可能な範囲でできるだけ高いレベルの共通化を図ることに協力することを約束する。この共通化は、航空の運航をしやすくし、さらに改善につながるすべての分野を対象とする。
この目的のために、国際民間航空機関(ICAO)は、必要に応じて、次に挙げる分野について国際標準及び勧告方式を定め、状況に応じてそれらを見直し、改正していく。
(a) 航空通信の仕組みや、航空保安施設に関すること(地上に設置される標識も含む)。
(b) 空港や着陸場が備えるべき性質や条件に関すること。
(c) 航空機の運航ルールや、航空交通管制の方法に関すること。
(d) 運航や整備に従事する航空従事者の免許に関すること。
(e) 航空機が安全に飛行できる状態にあるかどうか、すなわち耐空性に関すること。
(f) 航空機の登録方法や識別の仕方に関すること。
(g) 気象情報を集め、各国でやり取りする方法に関すること。
(h) 航空機が実際に飛行するための航行に関すること。
(i) 航空地図や航空図の作成・使用に関すること。
(j) 国境を越える航空運航に伴う、税関や出入国手続に関すること。
(k) 遭難した航空機や航空事故についての調査に関すること。
このほかにも、航空の安全性、正確性、効率性に関係すると判断される事項について、必要に応じて国際標準や勧告方式を定める。
この条文では、以下のことを規定している。
- 締約国は、航空機・航空従事者・航空路・航空関連業務に関して可能な限り統一されたルール を確保することに協力すること
- このために、 国際民間航空機関(ICAO) が 国際標準及び勧告方式(SARPs)を採択・改正すること
国際航空に関わる基本ルールは、各国が共同して統一するべきであり、そのためにICAOが 国際標準及び勧告方式(SARPs)を作る仕組みになっている。
これは、後述の ICAO Annex(附属書)としてまとめられる。
第38条 国際の標準及び手続からの背離
一方で、全ての国が国際標準を均一に採用できるわけではない事情もあり、第38条はこのケースについて定めている。
第三十八条 (国際の標準及び手続からの背離)
すべての点について国際の標準若しくは手続に従うこと若しくは国際の標準若しくは手続の改正後自国の規制若しくは方式をそれに完全に一致させることを不可能と認める国又は国際標準によって設定された規則若しくは方式と特定の点において異なる規制若しくは方式を採用することを要と認める国は、自国の方式と国際標準によって設定された方式との相違を直ちに国際民間航空機関に通告しなければならない。国際標準の改正があった場合に自国の規制又は方式に適当な改正を加えない国は、国際標準の改正の採択の日から六十日以内に理事会に通告し、又は自国が執ろうとする措置を明示しなければならない。この場合には、理事会は、国際標準の一又は二以上の特異点とこれに対応するその国の国内方式との相違を直ちに他のすべての国に通告しなければならない
国際民間航空条約
- 国際標準や国際的な手続について
- すべての点でそのまま守ることができない国
- 国際標準や手続が改正されたあとでも、自国の国内ルールや運用方法を完全に同じ内容にできないと判断した国
- 国際標準で定められたルールや方法と一部が異なる国内ルールや運用方法をあえて採用する必要があると判断した国
- は、その違いの内容を遅れずに国際民間航空機関(ICAO)へ知らせなければならない。
- 国際標準が改正されたにもかかわらず、その改正内容に合わせて自国の規制や運用方法を変更しない国は、
- その改正が正式に採択された日から60日以内に
- 理事会に対して「変更しない」という事実 または「どのような対応を取るつもりか」
- を明確に伝えなければならない。
- このような通知があった場合、理事会は、
- 国際標準のどの点が
- どの国の国内ルールと異なっているのか
- を整理したうえで、その内容を速やかに、すべての締約国に知らせなければならない。
この条文では、以下のことを規定している
- 国際標準の改正後に国内制度を一致させることが不可能と判断する場合、その相違点を ICAO に通告すること
- 国際標準の改正に伴い、国内制度の変更が適当でない場合、採択日から60日以内に ICAO 理事会に通告し、措置の内容を明らかにすること
このように、国際標準に背く場合でも、透明性を確保しながら国際協調の下に対応する仕組み とされている。
第43条 名称及び構成 / 第44条 目的
第四十三条 (名称及び構成)
この条約により、国際民間航空機関という機関を組織する。この機関は、総会、理事会その他の要な機関からなる。
国際民間航空条約
第四十四条 (目的)
この機関の目的は、次のことのため、国際航空の原則及び技術を発達させ、並びに国際航空運送の計画及び発達を助長することである。
(a) 世界を通じて国際民間航空の安全な且っ整然たる発展を確保すること。
(b) 平和的目的のために航空機の設計及び運航の技術を奨励すること。
(c) 国際民間航空のための航空路、空港及び航空保安施設の発達を奨励すること。
(d) 安全な、正確な、能率的な、且つ、経済的な航空運送に対する世界の諸国民の要求に応すること。
(e) 不合理な競争によって生ずる経済的浪費を防止すること
(f) 締約国の権利が充分に尊重されること及びすべての締約国が国際航空企業を運営する公正な機会をもっことを確保すること。
(g) 締約国間の差別待遇を避けること。
(h) 国際航空における飛行の安全を増進すること。
(i) 国際民間航空のすべての部面の発達を全般的に促進すること。
ICAOの目的は
- (a) 世界全体において、国際民間航空が安全で秩序ある形で発展するようにすること。
- (b) 平和的な目的で使用される航空機について、その設計や運航に関する技術の向上を促すこと。
- (c) 国際民間航空に必要な航空路、空港、航空保安施設の整備と発展を促すこと。
- (d) 安全で正確かつ効率的で、経済的な航空運送を求める世界の人々の期待に応えること。
- (e) 過度で不合理な競争によって生じる経済的な無駄を防ぐこと。
- (f) 各締約国の権利が十分に尊重され、すべての締約国が国際航空事業を行うための公平な機会を持てるようにすること。
- (g) 締約国同士の間で不当な差別が行われないようにすること。
- (h) 国際航空における飛行の安全性を高めること。
- (i) 国際民間航空に関するあらゆる分野の発展を全体として促進すること。
を達成するために、国際航空に関する基本的な考え方や技術を発展させ、あわせて国際航空運送の計画や発展を後押しすること である
第43条では、国際民間航空機関(ICAO)を設立することを規定している。
第44条では、 ICAOの目的を規定している。
第54条 理事会の義務的任務
第五十四条 (理事会の義務的任務)
理事会は、次のことを行わなければならない。
(a) 総会に年次報告を提出すること。
(b) 総会の指令を遂行し、並びにこの条約で課せられる任務及び義務を履行すること。
(c) その組織及び手続規則を決定すること。
(d) 航空運送委員会を設置し、及びその任務を定めること。その委員会の委員は、理事会の構成員の代表者の中から選ばれ、その委員会は、理事会に対して責任を負うものとする。
(e) 第十章の規定に従って航空委員会を設置すること。
(f) 第十二章及び第十五章の規定に従ってこの機関の会計を管理すること。
(g) 理事会の議長の報酬を決定すること。
(h) 第十一章の規定に従い、事務局長と呼ばれる首席行政官を任命し、及びその他の必要な職員の任命に関する規定を作成すること。
(i) 航空の進歩及び国際航空業務の運営に関する情報を要請し、収集し、審査し、及び公表すること。その情報には、運営の費用に関する情報及び公の資金から航空企業に支払われた補助金の明細に関する情報を含む。
(j) この条約の違反及び理事会の勧告又は決定の不履行を締約国に報告すること。
(k) この条約の違反の通告の後相当な期間内に締約国が適当な措置を執らなかった場合には、その違反を総会に報告すること。
(l) この条約の第六章の規定に従って国際標準及び勧告方式を採択し、便宜上、それらをこの条約の附属書とし、且つ、執った措置をすべての締約国に通告すること。
(m) 附属書の改正についての航空委員会の告を審議し、且つ、第二十章の規定に従って措置を執ること。
(n) この条約に関して締約国が付託する問題を審議すること。
第54条は、ICAO 理事会が「具体的に何をする機関なのか」を詳細に列挙した条文である。
この条文では、主に以下のことを規定している
- (l) 第6章の規定に従って、国際標準および勧告方式を採択し、それらを条約の附属書としてまとめ、採った措置をすべての締約国に知らせる。
- (m) 附属書の改正について航空委員会から出された提案を審議し、第20章の規定に従って必要な措置を取る。
特に、(l) の一文が ICAO Annex の法的根拠となっている条文である。
- 国際民間航空条約(シカゴ条約)は、今日の国際民間航空の基礎となる 最上位の国際ルール である。
- 37条:国際民間航空機関(ICAO)が国際標準と勧告方式(SARPs)を採択・改正することを規定している。
- 38条:国際標準に準拠できない場合でも、国際協調の下に対応すべきであることが規定されている。
- 43条:国際民間航空機関(ICAO)を設立することを規定している。
- 44条:国際民間航空機関(ICAO)の目的を規定している。
- 54条:国際標準及び勧告方式(SARPs)をシカゴ条約の附属書として採択することを規定している。
続いて、国際民間航空条約に基づいて設立された組織であるICAOと、ICAOが定める 国際標準と勧告方式(SARPs)について説明する
ICAO(国際民間航空機関)

ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民間航空機関)は、国際民間航空条約(シカゴ条約)第43条 に基づいて設立された国際機関であり、国際民間航空を「安全・秩序・公平」の観点から制度的に支える中核的存在である。
上述した通り、ICAO が採択する 国際標準及び勧告方式(SARPs)は、シカゴ条約の附属書(Annex)として シカゴ条約に裏付けられた国際的な正統性を持っている。
ICAO Annex(附属書)
ICAO Annex(附属書)とは、シカゴ条約 第37条に基づき策定される 国際標準および勧告方式(Standards Recommended Practices)を、分野別にまとめた文書群である。
各国は Annex に準拠することを原則とし、完全に一致できない場合は相違点を ICAO に通告する義務を負う という仕組みが採られている(第38条)。
ICAO Annex の一覧
ICAO Annex は、国際民間航空の各分野ごとに整理されている。
Annex の一覧は次のとおりである。
| Annex番号 | 主な内容 |
|---|---|
| Annex 1 | 航空従事者の資格(操縦士・整備士等) |
| Annex 2 | 航空規則(Rules of the Air) |
| Annex 3 | 気象業務 |
| Annex 4 | 航空図 |
| Annex 5 | 測定単位 |
| Annex 6 | 航空機の運航 |
| Annex 7 | 航空機の国籍および登録記号 |
| Annex 8 | 航空機の耐空性 |
| Annex 9 | 円滑化(出入国・通関等) |
| Annex 10 | 航空通信 |
| Annex 11 | 航空交通業務 |
| Annex 12 | 捜索救難 |
| Annex 13 | 航空事故・インシデント調査 |
| Annex 14 | 飛行場 |
| Annex 15 | 航空情報業務 |
| Annex 16 | 環境保護 |
| Annex 17 | 航空保安 |
| Annex 18 | 危険物の航空輸送 |
| Annex 19 | 安全管理(SMS) |
日本の航空法第1条では、シカゴ条約および Annex に準拠することが明確に宣言されている。
そのため、操縦士試験や実運用で扱う国内ルールの多くは、その源流をたどると ICAO Annex に行き着く という構造になっている。
- 国際標準及び勧告方式(SARPs)は、シカゴ条約の附属書として、ICAOによって 19の分野ごとに整備されている。
航空法

航空法は、日本国内における航空の安全と秩序を確保するための基本法である。
(この法律の目的)
第一条
この法律は、国際民間航空条約の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続に準拠して、航空機の航行の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止を図るための方法を定め、航空機を運航して営む事業の適正かつ合理的な運営を確保して輸送の安全を確保するとともにその利用者の利便の増進を図り、並びに航空の脱炭素化を推進するための措置を講じ、あわせて無人航空機の飛行における遵守事項等を定めてその飛行の安全の確保を図ることにより、航空の発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする。
https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231#Mp-Ch_1-At_1
航空法第1条では、航空法の目的として、
- 航空機の航行の安全を確保すること
- 利用者の利便の増進を図ること
- 航空の脱炭素化を推進すること
- 無人航空機の飛行における安全を確保すること
が明示されている。
また、冒頭では、国際民間航空条約(シカゴ条約)の規定 および ICAOがAnnex(附属書) として採択した 国際標準および勧告方式(SARPs)に準拠することも明記されている。
日本の航空法は、ICAO Annexを「参考にしている」というレベルではなく、ICAOの国際基準に整合する形で国内制度を構築することを前提に作られている。
航空法の概要
航空法は、航空に関するすべての技術的事項を詳細に定める法律ではない。
その役割は、
- 制度の枠組みを定める
- 国が関与すべき事項を明確にする
- 下位法令に委任する範囲を規定する
ことであり、具体的な数値基準や手続の詳細は、
- 航空法施行規則
- 施行規則附属書
- 耐空性審査要領
- 告示/通達
- 航空局サーキュラー
といった下位規範で補完される。
航空法の章立て
航空法は、以下のような章立てで構成されている。
| 章 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 第一章 | 総則 | 第1条・第2条 |
| 第二章 | 航空機の登録 | 第3条 ~ 第9条 |
| 第三章 | 航空機の安全性 | 第10条 ~ 第21条 |
| 第四章 | 航空従事者 | 第22条 ~ 第36条 |
| 第五章 | 航空路、空港等及び航空保安施設 | 第37条 ~ 第56条の5 |
| 第六章 | 航空機の運航等 | 第57条 ~ 第99条の15 |
| 第七章 | 航空運送事業等 | 第100条 ~ 第125条 |
| 第八章 | 外国航空機 | 第126条 ~ 第131条の2 |
| 第九章 | 危害行為の防止 | 第131条の2の2 ~ 第131条の2の6 |
| 第十章 | 航空の脱炭素化の推進 | 第131条の2の7 ~ 第131条の2の13 |
| 第十一章 | 無人航空機 | 第132条 ~ 第132条の92 |
| 第十二章 | 雑則 | 第133条 ~ 第137条の4 |
| 第十三章 | 罰則 | 第138条 ~ 第163条 |
- 航空法の目的:
- 航空機の航行の安全を確保する
- 利用者の利便の増進を図る
- 航空の脱炭素化を推進する
- 無人航空機の飛行における安全を確保する
- 航空法はシカゴ条約およびICAO Annexに準拠している
- 航空法は枠組みなどの概要を規定しており、詳細は下位規範で補完されている。
航空法施行規則

航空法施行規則は、航空法の規定を実際の運用に落とし込むための省令であり、航空機・操縦者・運航・装備・手続といった実務レベルの要件を具体的に定めている。
航空法が「制度の骨格」を示すのに対し、施行規則は、
- 数値基準(重量・期間・装備数量など)
- 区分(航空機の種類・耐空類別・用途)
- 手続(申請・証明・記録)
- 技術的基準の参照先(附属書)
を明確に規定する点に特徴がある。
施行規則の全体構造(位置づけ)
航空法施行規則は、以下のような階層構造で航空法を補完している。
航空法(法律)
└─ 航空法施行規則(省令)
├─ 本則(条文)
└─ 附属書
├─ 附属書第一(耐空類別/技術基準)
├─ 附属書第二(騒音基準)
├─ 附属書第三(CO₂以外の排出基準)
└─ 附属書第四(CO₂の排出基準)
このうち、滑空機の制度理解に直結するのは「本則+附属書第一」である。
航空法施行規則の章立て
航空法施行規則は、以下のような章立てで構成されている。
| 章 | 章名 | 条文 |
|---|---|---|
| 第1章 | 総則 | 第1条~第6条の2 |
| 第2章 | 航空機登録証明書等 | 第7条~第11条 |
| 第3章 | 航空機の安全性 | 第12条~第41条の2 |
| 第4章 | 航空従事者 | 第42条~第74条 |
| 第5章 | 空港等及び航空保安施設 | 第75条~第132条の4 |
| 第6章 | 航空機の運航 | 第133条~第209条の2 |
| 第7章 | 航空運送事業等 | 第210条~第229条 |
| 第8章 | 外国航空機 | 第230条~第235条の4 |
| 第9章 | 危害行為の防止 | 第235条の4の2~第235条の4の19 |
| 第10章 | 航空の脱炭素化の推進 | 第235条の4の20~第235条の4の22 |
| 第11章 | 無人航空機 | 第236条~第236条の89 |
| 第12章 | 雑則 | 第237条~第243条 |
技術基準と附属書の関係
航空法施行規則14条より、耐空証明において航空機が満たすべき技術基準は、航空法施行規則の附属書に集約される とされている。
規則第十四条
法第十条第四項第一号(法第十条の二第二項において準用する場合を含む。)の基準は、附属書第一に定める基準(装備品等については附属書第一に定める基準又は国土交通大臣が承認した型式若しくは仕様(電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の適用を受ける無線局の無線設備にあつては、同法に定める技術基準を含む。))とする。
2 法第十条第四項第二号(法第十条の二第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の事項が国土交通省令で定めるものである航空機は、附属書第二の適用を受ける航空機とし、同号の基準は、附属書第二に定める基準とする。
3 法第十条第四項第三号(法第十条の二第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の事項が国土交通省令で定めるものである航空機は、附属書第三又は附属書第四の適用を受ける航空機とし、同号の基準は、それぞれ附属書第三又は附属書第四に定める基準とする。
https://laws.e-gov.go.jp/law/327M50000800056#Mp-Ch_3-Se_1-At_14
- 航空機が安全に飛行できる強度・構造・性能を備えているかどうかは、附属書第一に書かれている基準で判断する。
- 航空機に取り付ける装備品や部品については、附属書第一の基準に合っていること または 国土交通大臣が認めた型式や仕様に合っていること が必要である。
- 無線機など電波法の対象になる装備については、電波法で定められた技術基準にも合っていなければならない。
- 航空機の種類・搭載する発動機の種類・最大離陸重量などが、国土交通省令で定められた条件に当てはまる場合、その航空機は附属書第二が適用される航空機として扱う。
- この場合、航空機が守るべき騒音の基準は、附属書第二に書かれている内容によって判断する。
- 航空機の発動機の種類・出力の範囲などが、国土交通省令で定められた条件に当てはまる場合、
その航空機は、附属書第三または附属書第四が適用される航空機として扱う。- この場合、航空機が守るべき発動機の排出物(環境への影響)の基準は、
- 附属書第三が適用される航空機は附属書第三、
- 附属書第四が適用される航空機は附属書第四
- に書かれている内容によって判断する。
- この場合、航空機が守るべき発動機の排出物(環境への影響)の基準は、
滑空機は発動機を有していないので、主として附属書第一の適用を受ける。
耐空性審査要領
耐空性審査要領は、航空機が附属書第一に示す耐空性基準に適合しているかを、実際にどのように確認・判断するかを示した行政上の要領である。
耐空性審査要領
1 航空機又は装備品が航空法施行規則附属書第一「航空機及び装備品の安全性を確保するための強度、構造及び性能についての基準」に適合するかどうかの審査は、この要領の定めるところによる。
耐空性審査要領_前文(第61改正).pdf (https://www.asims.mlit.go.jp/ にログイン後にクリック)
航空法および航空法施行規則では、
- 航空機は耐空証明を受けなければ航空の用に供してはならないこと(法11条)
- 耐空性の技術基準は、航空法施行規則附属書第一に定めること(規則14条)
が規定されているが、具体的にどの部分を、どのような観点で、どの程度まで確認するかまでは規定されていない。
そこで、航空局職員が耐空性審査を行う際の審査の考え方、判断基準、確認項目の整理 を示したものが耐空性審査要領である。
>20210524 我が国の耐空性基準の概要について(和).pdf(https://www.asims.mlit.go.jp/ にログイン後にクリック)
耐空性審査要領の章立て
航空法施行規則は、以下のような「部」で構成されている。
| 部 | 名称 | 準拠海外基準 |
|---|---|---|
| I | 定義 | FAR Part 1 |
| II | 飛行機 (耐空類別が飛行機普通 N であるもの) | FAR Part 23 |
| III | 飛行機 (耐空類別が飛行機輸送 T であるもの) | FAR Part 25 |
| IIIの2 | 耐空性の継続及び安全性の向上 | FAR Part 26 |
| IIIの3 | 燃料タンク系統の故障許容性の評価 | FAR Part 21 SFAR No.88 |
| IV | 回転翼航空機 (耐空類別が回転翼航空機普通 N であるもの) | FAR Part 27 |
| V | 回転翼航空機 (耐空類別が回転翼航空機 TA 級又は TB 級であるもの) | FAR Part 29 |
| VI | 滑空機 (耐空類別が滑空機曲技 A 又は滑空機実用 U であるもの) 及び 動力滑空機 (耐空類別が動力滑空機曲技 A 又は動力滑空機実用 U であるもの) | EASA CS-22 |
| VII | 発動機 | FAR Part 33 |
| VIII | プロペラ | FAR Part 35 |
| IX | 軟式飛行船 | 旧西独の基準を参考 |
| X | 無線通信機器 | ― |
日本の耐空性制度は、ICAO Annex 8 を上位概念とし、14 CFR や EASA CS を技術的参照基準として 航空法施行規則附属書第一 および 耐空性審査要領 に落とし込まれているため、各「部」が FAR(14 CFR)および EASA CS のどの Part / CS に対応しているかが明確に整理されている。
滑空機の扱い
滑空機についての技術的基準は、第Ⅵ部(第49改正).pdf(https://www.asims.mlit.go.jp/ にログイン後にクリック)に規定されている。
ICAO Annex 8
ICAO(国際民間航空機関)は、国際民間航空条約の附属書として Annex 8(航空機の耐空性) を定めている。
Annex 8 では、
- 航空機の耐空性に関する国際標準
- 型式証明・耐空証明に関する基本的考え方
- 継続耐空性の確保
といった事項が規定されている。
日本の航空法施行規則附属書第一に定められた耐空性基準は、この ICAO Annex 8 に準拠して定められている。
14 CFR
14 CFR(Title 14 of the Code of Federal Regulations)は、米国における航空分野の包括的な法令体系であり、連邦航空局(FAA)が所管する航空に関する技術基準・運用基準・資格制度等を体系的に定めている。
日本の制度に当てはめると、
- 航空法
- 航空法施行規則
- 耐空性審査要領
を一体として詳細化・体系化したものに相当する。
14 CFR は、米国連邦法の一部として制定されており、
- 航空機の設計・製造
- 耐空性の証明
- 操縦士・整備士等の資格
- 運航方法
- 騒音・環境基準
など、航空に関わるほぼすべての分野をカバーしている。
FAA は、この 14 CFR に基づいて、
- 型式証明
- 耐空証明
- 各種認可・承認
- 継続耐空性の監督
を行う。
14 CFR は「Part(部)」ごとに分野別に整理されており、それぞれが独立した技術基準・運用基準として機能している。
代表的な例は以下のとおりである。
- Part 1:定義
- Part 21:型式証明・耐空証明(設計・製造段階)
- Part 23 / Part 25:飛行機の耐空性基準
- Part 27 / Part 29:回転翼航空機の耐空性基準
- Part 33 / Part 35:発動機・プロペラ
- Part 36:騒音基準
滑空機の扱い
滑空機については、14 CFR 内に専用の Part が存在しないため、
- Part 21.17(b) に基づき
- 他の耐空性基準(飛行機・回転翼航空機等)を準用しつつ
- 同等の安全性を確保する
という考え方が採られている。
(b) For special classes of aircraft, including the engines and propellers installed thereon (e.g., gliders, airships, and other nonconventional aircraft), for which airworthiness standards have not been issued under this subchapter, the applicable requirements will be the portions of those other airworthiness requirements contained in Parts 23, 25, 27, 29, 31, 33, and 35 found by the FAA to be appropriate for the aircraft and applicable to a specific type design, or such airworthiness criteria as the FAA may find provide an equivalent level of safety to those parts.
https://www.ecfr.gov/current/title-14/chapter-I/subchapter-C/part-21#p-21.17(b)
滑空機や飛行船などの特殊な種類の航空機(それらに搭載される発動機やプロペラを含む)について、14 CFR Subchapter C においてその航空機専用の耐空性基準がまだ定められていない場合には、Part 23、25、27、29、31、33、35 に定められている耐空性基準のうち、その航空機の型式設計に照らして「適切である」とFAAが判断した部分を、その航空機に適用する。
また、同程度の安全性が確保できるとFAAが認めた別の耐空性基準がある場合には、その代替となる基準(EASA CS-22など)を適用することもできる。
EASA CS の概要
EASA CS(Certification Specifications)は、欧州連合航空安全機関(EASA:European Union Aviation Safety Agency)が定める航空機・装備品等の型式証明および耐空性に関する技術基準である。
米国の 14 CFR(FAR)と同様に、設計・製造段階における耐空性要件を体系的に定めた規範であり、欧州域内における耐空性審査の中核をなしている。
EASA CS は、対象ごとに番号が付された独立した仕様書として整理されている。
代表的な例は以下のとおりである。
滑空機の扱い
滑空機および動力滑空機に特化した耐空性基準として、CS-22 Sailplanes and Powered Sailplanes があり、
- 軽量構造
- 無動力または限定的動力
- 特有の運用形態
を前提とした要件が定められている。
米国では Part 21.17 (b) による準用という形で扱われるのに対し、欧州では CS-22 として独立体系を有しているため、日本の耐空性審査要領 第Ⅵ部(第49改正)もこちらを準用している。。
- 耐空性審査要領は法律ではなく運用基準であり、航空法施行規則附属書第一の基準にどう適合しているかを確認するための指針である
- 日本の耐空性審査要領は ICAO Annex 8/14 CFR/EASA CS に準拠しており国際整合性がある
- 滑空機の技術的基準は、EASA CS-22 Sailplanes and Powered Sailplanes に準拠している
告示/通達

航空法体系において「告示」および「通達」は、法律や政令、省令そのものではないものの、法令の運用や技術的判断を具体化するために不可欠な行政文書である。
告示の位置づけ
告示とは、国土交通大臣または国土交通省が、法令の委任に基づいて一定の事項を公に定めるものである。
航空法においては、「国土交通大臣が告示で定める」と規定されている技術基準や運用細目が多く存在し、これらは法令と一体となって適用される基準として扱われる。
このため、告示は形式上は法令ではないものの、
- 法律・省令の委任を受けている
- 一般に公示され、誰に対しても適用される
という性質を有し、実務上は法令と同程度の拘束力を持つ基準として運用されている。
通達の位置づけ
通達とは、国土交通省内部において、上級機関が下級機関に対し、法令や告示の解釈、運用方針、審査方法等を示すために発出する行政内部文書である。
航空分野では、航空局長通達や安全部長通達として発出されるものが多く、耐空性審査要領、運航審査要領、サーキュラー(Circular)などがこれに該当する。
通達は本来、行政内部の指針であり、国民や事業者を直接拘束するものではないが、実務上は、
- 許認可・審査が通達に基づいて行われる
- 通達の内容を満たさなければ申請が認められない
という運用がなされるため、航空機所有者、製造者、運航者にとっては事実上の遵守基準となっている。
- 告示は「法令を補完する公的な基準」
- 通達は「その基準をどのように適用・判断するかを行税内部に示す指針」
- いずれも法令ではないが、事実上の遵守基準となっている。
国家行政組織法
第十四条
各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、告示を発することができる。
2 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達をするため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる。
https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000120/20190401_430AC0000000102#Mp-At_14
- 各省の大臣、各種委員会、各庁の長は、自分たちの担当する仕事について、内容を広く知らせる必要があるときは、一般向けに公式なお知らせ(告示)を出すことができる。
- 各省の大臣、各種委員会、各庁の長は、自分たちの担当する仕事について、指示や命令を行うために、部下の機関や職員に向けて、内部向けの指示文書(訓令や通達)を出すことができる。
サーキュラー

航空局サーキュラーは、「法律にもとづいて申請や手続きを行う場合の方法」や「すでに許認可を行った事項を適切に維持・管理するための方法」などを分かりやすくする目的で国土交通省航空局安全部の関係課が出している通達等 のうち、航空機安全課が航空関係者に知らせておくことが適切だと判断したものである。
主な目的は以下の通り。
- 法令の解釈を統一すること
- 実務上の運用方法を明確にすること
- 申請・審査・検査における判断基準を揃えること
サーキュラー自体は法律や省令ではないが、「法令をどう読んで、どう運用するか」を示した実務上の基準書として位置づけられる。
>No.0-000 サーキュラー体系について
https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/pdf/20190329/0-000.pdf
>サーキュラー一覧表(https://www.asims.mlit.go.jp/ にログイン後にクリック)
サーキュラーの対象
サーキュラーは、航空法等に基づく申請、許可、承認、維持管理に関する手続きを明確にするために発行される。
対象となるのは、次のような関係者である。
- 航空機および装備品等の設計者
- 航空機および装備品等の製造者
- 航空運送事業者および航空機使用事業者
- 航空機使用者、無人航空機使用者
- 整備・修理事業者(認定事業場を含む)
- 整備・修理を実施する者
- その他、内容の周知が適切と判断された者
操縦者だけでなく、設計・製造・整備・運航に関わる幅広い関係者が対象となっている。
サーキュラーの番号体系
サーキュラーは、分野ごとに整理された番号体系で管理されている。
No.分類番号-通し番号
| 分類番号 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 航空機・装備品の証明・承認に係る手続・方針 |
| 2 | 事業場認定に係る手続・方針 |
| 3 | 整備一般に係る手続・方針 |
| 4 | 航空運送事業・航空機使用事業に係る手続・方針 |
| 5 | 運航関係承認に係る手続・方針 |
| 6 | その他一般的方針 |
| 7 | 各種一覧表 |
| 8 | 無人航空機の認証に係る手続・方針 |
上級滑空機の学習では、分類1(証明・承認)および分類3(整備一般)に関するサーキュラーを参照する機会が多い
サーキュラーの区分
サーキュラーは、内容に応じて次の3区分に分けられている。
- 審査基準
- 申請に対して許可や承認を行うかどうかを判断するための基準。
- 処分基準
- 不利益処分を行うか、またはその内容を判断するための基準。
- 行政指導指針
- 同一の行政目的のもと、複数の対象者に共通して行う行政指導の考え方。
このうち、審査基準および処分基準に区分されるサーキュラーには、
- 準拠する法令
- 求められる手続きや判断基準
が明示されており、原則として、その内容に従って手続きを行うことが求められる。
一方で、合理的な理由があり、所定の手続きを経た場合には、上位法令に反しない範囲で一部の内容についてサーキュラーと異なる取扱いが認められることもある。
- サーキュラーとは、国土交通省航空局安全部の関係課が出している通達等 のうち、航空機安全課が航空関係者に知らせておくことが適切だと判断したものを、体系化して採番したものである。
- サーキュラーは法令ではないが、審査基準および処分基準に区分されるサーキュラーは、原則としてその内容に従って手続きを行うことが求められる。
おわりに
本記事では、自家用操縦士(上級滑空機)を目指す学習者向けに、各種条約や法令に分散して記載されている航空法体系についての全体像を整理した。
(シカゴ条約)] subgraph INTL2[ ] direction LR B[ICAO
(国際民間航空機関)] C["ICAO Annex
(国際標準及び勧告方式)"] end A -->|条約により設立| B A -->|附属書| C B -->|制定| C end %% ===== 国内法規 ===== subgraph DOM[国内法規(日本)] direction TB D[航空法
(法律)] subgraph DOM2[ ] direction LR E[航空法施行規則
(国土交通省令)] F[耐空性審査要領] end G[航空局サーキュラー
告示/通達] end %% ===== 階層関係 ===== C -->|国際標準に準拠| DOM D -->|委任・具体化| E E -->|技術的詳細の明確化| F G -->|運用・解釈の明示| E G -->|運用・解釈の明示| F %% ===== 差異通告 ===== %% D -.->|第38条 差異通告制度| B
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参考文献・関連法規
航空法
| 条番号 | タイトル | 概要 |
|---|---|---|
| 第10条 | 耐空証明 | 航空機に対する耐空証明の付与要件、検査基準、例外および証明書交付について定めている。 |
| 第10条の2 | (耐空検査員) | 国土交通大臣に認定された耐空検査員が一定の滑空機について耐空証明を行えることを定めている。 |
| 第11条 | (耐空証明の効力) | 耐空証明を受けた航空機のみ運航可能であることと、その運用限界の遵守を定めている。 |
| 第12条 | 型式証明 | 航空機の設計型式に対する型式証明の要件と手続を定めている。 |
| 第13条の5 | (型式証明等の変更命令) | 型式証明等が基準に適合しない場合の設計変更命令および取消しについて定めている。 |
| 第14条 | 耐空証明の有効期間 | 耐空証明の有効期限について定めている。 |
| 第14条の3 | 整備改造命令、 耐空証明の効力の停止等 | 航空機の安全性が確保されない場合の整備命令や耐空証明の停止等を定めている。 |
| 第15条 | 耐空証明の失効 | 一定の場合に耐空証明が効力を失う条件を定めている。 |
| 第16条 | 使用者の整備及び 改造の義務 | 航空機使用者に対し、整備・改造および装備品の制限に関する義務を定めている。 |
| 第17条 | 修理改造検査 | 航空機の修理・改造時に必要な検査および合格要件を定めている。 |
| 第19条 | 航空機の整備又は改造 | 航空機の整備・改造における確認および実施者の要件を定めている。 |
| 第19条の2 | (整備改造後の使用) | 認定事業場による確認を条件に、一定の場合の運航を認める規定である。 |
| 第20条 | 事業場の認定 | 航空機や装備品の設計・製造・整備等を行う事業場の認定制度を定めている。 |
| 第57条 | 国籍等の表示 | 航空機に国籍・登録記号等を表示しなければならないことを定めている。 |
| 第58条 | 航空日誌 | 航空日誌の備付けおよび記載義務について定めている。 |
| 第59条 | 航空機に備え付ける書類 | 航空機に搭載すべき書類の種類を定めている。 |
| 第143条 | 耐空証明を受けない 航空機の使用等の罪 | 耐空証明等に違反して航空機を使用した場合の罰則を定めている。 |
| 第143条の2 | 耐空検査員の罪 | 耐空検査員が基準に違反した場合の罰則を定めている。 |
航空法施行規則
| 条番号 | タイトル | 概要 |
|---|---|---|
| 12条 | ― | 法第10条第1項に基づく滑空機を初級滑空機とすることを定める。 |
| 12条の2 | 耐空証明 | 耐空証明の申請方法、提出書類および提出時期を航空機の区分ごとに定めている。 |
| 12条の3 | ― | 航空機の用途指定時に明示すべき耐空類別および運用限界を定めている。 |
| 13条 | ― | 航空機の用途および運用限界の指定を、書類交付により行う方法を定めている。 |
| 14条 | ― | 耐空証明に係る各基準を附属書ごとに定めている。 |
| 16条 | ― | 耐空証明書の様式を定めている。 |
| 16条の4 | 耐空検査員 | 耐空検査員の資格要件および実務経験要件を定めている。 |
| 16条の10 | ― | 耐空検査員が作成・提出すべき報告書および検査記録書の内容を定めている。 |
| 16条の14 | 試験飛行等の許可 | 試験飛行等の許可申請に必要な記載事項を定めている。 |
| 23条の18 | 使用者の整備及び改造の義務 | 航空機使用者が行うべき整備および改造の方法を航空機の区分ごとに定めている。 |
| 26条の2 | ― | 修理または改造後の航空機が合格とされるための基準を定めている。 |
| 40条 | 法10条4項の基準に 適合することの確認等の方法 | 法10条4項の基準適合性の確認方法および証明方法を定めている。 |
| 41条 | 基準適合証の交付 | 各種基準適合証の交付区分および交付対象者を定めている。 |



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