本記事では、自家用操縦士(上級滑空機)を目指す学習者向けに、AIM-Jに散在して記載されている有視界飛行方式に関する諸規則の全体像を整理する。
はじめに
自家用操縦士(上滑)のライセンス取得を目標として、有視界飛行方式に関する諸規則の概要について説明する。
なお、この記事の内容は筆者がAIM-J、航空法、航空法施行規則などをもとにまとめたものである
記述の参考とした文献を文末に記しているので、より詳細な記述や原文を確認したい場合はそちらを参照のこと
それではいってみよう
有視界飛行方式(VFR)
有視界飛行方式は、一般に VFR(Visual Flight Rules)と呼ばれ、計器飛行方式(IFR:Instrument Flight Rules)以外のすべての飛行方式を指す [281]
滑空機は原則としてVFRで飛行を行うため、VFRの諸規則についてしっかり理解しておく必要がある。
VFRでは、パイロット自身が目視により
- 地表および地上の障害物
- 空中の他の航空機
- 雲
との間に十分な間隔を保ちながら航空機を操縦しなければならなず、これらとの衝突回避については、常にパイロット自身が責任を負うことが明確にされている。
また、VFRによる飛行は
- 離陸
- 着陸
- 飛行中
のすべての段階において、気象条件の制約を受けるため、次に定められた 有視界気象状態(VMC:Visual meteorological conditions)のもとでしか飛行を行ってはならない
有視界気象状態(VMC)
VFRで飛行するためには、飛行高度・空域に応じた 有視界飛行条件(VMC)の基準を満たしていなければならない。[832]
① 高度 3,000m以上で飛行する場合
だいたい高度10,000ft くらいなので、山岳飛翔をするときにはこの条件になる
このときの気象条件は以下のすべてを満たす必要がある。
- 飛行視程:8,000m以上
- 雲との垂直距離:
- 上方・下方とも 300m以上
- 雲との水平距離:
- 1,500m以上
② 高度 3,000m未満で飛行する場合(③を除く)
高度10,000 ft以下なので、普段の滑空場で行う訓練のときはこの条件になる
このときの気象条件は以下のすべてを満たす必要がある。
- 飛行視程
- 管制区・管制圏・情報圏内:5,000m以上
- それ以外の空域:1,500m以上
- 雲との距離
- 垂直距離:
- 上方 150m以上
- 下方 300m以上
- 水平距離:
- 600m以上
- 垂直距離:
飛行する場所が「管制区・管制圏・情報圏内」か「それ以外」かで、飛行視程の条件が変わってくるため、自分が飛行している場所がどの空域に属するのかを、航空図などで確認しておく必要がある
また、基本的に滑空機は雲の中に入らない限り雲高よりも高くは上がれないので、「上方の雲との距離が150m以上あるか?」が実質的なVFRの条件になる
③ 管制区・管制圏・情報圏以外で、地表/水面から300m以下を飛行する場合
高度1,000 ft以下を飛び続ける場合における条件なので、あまり滑空機には関係ない(ヘリコプターなどが関係すると思われる)
このときの気象条件は以下のすべてを満たす必要がある。
- 飛行視程:1,500m以上
- 他物件との衝突を回避できる速度で飛行するヘリコプターは除外
- 雲から離れて飛行できること
- 地表または水面を引き続き視認できること
④ 離着陸時
以下の飛行場:
- 管制圏または情報圏内の飛行場
- 管制圏・情報圏外で国土交通大臣が指定した飛行場
でVFRの離着陸を行う場合、飛行場の気象状態は次を満たす必要がある。
- 地上視程:5,000m以上
- 雲高:地表または水面から300m以上
ここでも、離着陸する飛行場が「管制圏・情報圏内」か「それ以外」かで雲高の条件が変わってくるため、自分が離着陸する飛行場がどの空域に属しているかを確認する必要がある。
管制圏または情報圏内の飛行場で離着陸をする場合は、雲高が300m(1,000ft)以上である必要があるため、湿気が多く雲が低い日には注意が必要である。
AIM-J(2024年版)の表10-4に以下の通りまとめてある
管制圏内または情報圏内にある空港等ならびに管制圏および情報圏外にある国土交通大臣の指定した空港において、VFR機が離陸または着陸する場合に必要な飛行場の気象状態
i)地上視程が5,000m以上であること。
ii)雲高が300メートル(1,000ft)以上であること。注)上記のVMCは以下の飛行場で適用される。
・管制圏が指定されている空港等
女満別,旭川(大雪),旭川(自衛隊),釧路,十勝,帯広,札幌,千歳,新千歳,函館,大湊,青森,三沢,八戸,秋田,松島,横田,仙台,新潟,宇都宮,相馬原,百里,霞ヶ浦,下総,成田国際,入間,立川,東京国際,厚木,木更津,館山,硫黄島,富山,小松,岐阜,名古屋,静浜,浜松,中部国際,明野,舞鶴,大阪国際,八尾,神戸,関西国際,美保,岡山,広島,防府,小月,徳島,小松島,高松,松山,高知,芦屋,北九州,福岡,築城,大分,目達原,長崎,熊本,新田原,宮崎,鹿児島,鹿屋,那覇,下地島,宮古,新石垣・情報圏が指定されている空港
稚内,利尻,紋別,中標津,大館能代,花巻,庄内,山形,福島,松本,大島,新島,神津島,三宅島,八丈島,静岡,能登,福井,南紀白浜,鳥取,隠岐,出雲,石見,山口宇部,対馬,壱岐,福江,佐賀,種子島,屋久島,奄美,喜界,徳之島,沖永良部,与論,北大東,南大東,久米島,多良間,与那国・管制圏および情報圏外にある国土交通大臣の指定した空港
調布,但馬,天草
例えば、管制圏内の中にある滑空場で飛行をするためには
フライト前に
- 雲高は地表から300m以上あるか?
- 飛行視程は5,000m以上あるか?
を確認し、フライト中は
- 上方の雲との間隔は150m以上あるか?
を確認すればよい
制限事項
VFRで飛行する航空機は、一般に以下についての管制上の拘束を受けない。
- 飛行経路
- 高度
- 速度
これは、VFRが操縦者自身の視認と判断により他機や障害物を回避することを前提としているためである。
ただし、この原則には例外があり、空域・高度・管制状況によっては、VFR機であっても制限や義務が課される。
管制機関の指示に従う必要がある場合
VFR機であっても、以下の場合には管制機関の指示に従う義務が生じる。
- 航空交通管制区または航空交通管制圏内で、管制機関から飛行方法(高度・経路等)の指示を受けた場合
- タワー(飛行場管制所)が設置されている飛行場において離着陸を行う場合
この場合、VFRかIFRかを問わず、管制官が指示した高度・経路・方法で飛行しなければならない。
VFRであることを理由に、管制指示を拒否したり独自判断で逸脱することは認められていない。
[AIM-J 1034a](航空法96条/航空法施行規則177条)
VFRが禁止または許可制となる空域・高度
以下の空域・高度では、原則として計器飛行方式(IFR)が義務付けられており、VFRで飛行するためには国土交通大臣(管制機関)の許可が必要となる。
- 航空交通管制区または航空交通管制圏のうち、告示で指定された特別管制空域
- 高度29,000フィート以上の空域
これらの空域では、航空交通の密度が高く、管制による高度・間隔管理が前提となるためである。
ただし、以下の場合に限り、例外的にVFRによる飛行が許可されることがある。
- 特別管制空域については、告示で区分された空域ごとに定められた条件を満たす場合
- 高度29,000フィート以上の空域については、
- 自衛隊航空機の任務遂行上やむを得ない場合
- 予測不能な急激な天候悪化等のやむを得ない事由がある場合
[AIM-J 1049a~d](航空法94条の2/航空法施行規則198条の5~7)
以下の告示で指定されている空域である
≫ https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/pdf/20240214/03_20240208_kouku.pdf
巡航高度の適用条件
VFR機が次の条件を満たして巡航飛行を行う場合には、飛行方向および航空機の区分に応じた指定された巡航高度を使用しなければならない。
- 地表または水面から 900m(3,000ft)以上 29,000ft未満
この場合、航空法施行規則177条の表で定められた高度(いわゆる奇数・偶数高度)に従って飛行することが求められる。
この表がまた半端なく分かりにくいので、VFRだけで飛行する滑空機についてまとめると次のようになる
| 区分 | 西向き | 東向き |
|---|---|---|
| 磁方位 | 180°以上 360°未満 | 0°以上 180°未満 |
| 適用条件 | 地表または水面から3,000ft以上 29,000ft未満で巡航する場合 | |
| 巡航高度の規則 | 1,000ftの偶数倍 + 500ft | 1,000ftの奇数倍 + 500ft |
| 代表的な高度例 | 3,000ft以下は対象外 | |
| 4,500ft | 3,500ft | |
| 6,500ft | 5,500ft | |
| 8,500ft | 7,500ft | |
| 10,500ft | 9,500ft | |
| 適用上の注意 | 管制官から高度指示がある場合はその指示が優先 | |
上表にある通り、管制機関から特定の高度を指示された場合は、巡航高度の規則よりも管制指示が優先される。
[AIM-J 511a、1034a](航空法82条、航空法施行規則177条)
最低安全高度
航空機は、離陸または着陸の場合を除き、人・物件および航空機自身の安全を確保できない低高度で飛行してはならない。
VFR機の場合、最低安全高度は次の考え方で定められている。
- 飛行中に動力装置が停止した場合でも、地上または水上の人・物件に危険を及ぼさずに着陸できる高度であること
そのうえで、以下の高度のうち最も高いものを確保する必要がある
- 人または家屋が密集している地域
- 当該航空機を中心とした水平距離600m以内で最も高い障害物の上端から 300m以上
- 人または家屋のない地域・広い水面上
- 地上または水上の人・物件から 150m以上の距離を保てる高度
- 上記以外の地域
- 地表面または水面から 150m以上
これらは、離着陸中は除いて、VFRにおいても厳格に守るべき最低限の高度である。
[AIM-J 1032](航空法81条/航空法施行規則174条)
VFRと垂直間隔
VFR機に対しては、原則として管制機関による垂直間隔の設定は行われない。
これは、VFR機が視認によって他機を回避することを前提としているためである。
ただし、上述した通り 地表または水面から900m以上29,000ft未満で巡航する場合は、指定された巡航高度を厳守する必要があり、巡航高度を守ること自体が、結果として航空交通全体の垂直分離に寄与している
[AIM-J 511a]
高度規正とVFR
機長は、飛行高度に応じて気圧高度計を適切に規正しなければならない。
この規則は、VFR・IFRの別なく適用される。
- 平均海面上14,000ft未満で飛行する場合
- 飛行経路上の QNH により規正
- 出発時にQNHの値を入手できないときは出発点の標高
- 平均海面上14,000ft以上で飛行する場合
- 標準気圧(1,013.2hPa) により規正
巡航高度の遵守や他機との高度関係を正しく保つためにも、高度計規正は非常に重要な基本事項である。
[AIM-J 1034d](航空法施行規則178条)
計器気象状態(IMC)
計器気象状態(IMC:Instrument Meteorological Conditions)とは、有視界気象状態(VMC)以外の気象状態を指す。
すなわち、飛行視程や雲との関係がVMCの基準を満たさない状態である。[841]
IMCにおける航空機の飛行可否は、空域の種類によって区別されている。
- 管制区・管制圏・情報圏内 → IFRでのみ飛行可能
- それ以外の空域 → 飛行不可
このため、VFRでしか飛行できない滑空機がIMCに遭遇した場合、原則として飛行は許されないことをまず理解しておく必要がある。
例外的にVFRが許可される場合
IMCであっても、一定の条件を満たし、かつ管制機関の許可を得た場合には、例外的にVFRでの飛行が認められることがある。
これは、予測できない急激な天候悪化など、やむを得ない事由がある場合を想定したものであり、恒常的に適用されるものではない。
この場合、以下の条件をすべて満たす必要がある。
- 雲から離れて飛行すること
- 飛行視程 1,500m以上を維持すること
- 地表または水面を引き続き視認できること
- 管制圏内では、指定された周波数を常時モニターし、管制官の指示に従うこと
- 情報圏内では、当該情報圏を管轄するレディオを経由して、常時連絡を保つこと
これらの条件は、後述するスペシャルVFRの飛行方法とも共通しており、”IMC下であっても最低限の視認性を確保した目視飛行”である点が強調されている。[AIM-J 434b]
スペシャルVFR
スペシャルVFR(Special VFR)とは、本来IMCでは禁止されているVFR機の飛行や離着陸を、一定の条件下で例外的に認める飛行方式である。
管制圏または情報圏が指定されている飛行場において、
- 飛行場の気象状態がIMC
- ただし地上視程が1,500m以上
であれば、パイロットが要求することにより、IFR機の航行に支障のない範囲で、スペシャルVFRの許可が与えられる。[AIM-J 434 a]
ただし、以下の点には注意が必要である。
- スペシャルVFRのクリアランスは、離陸許可・着陸許可そのものを含まない
- タワーのある飛行場では、離着陸許可は別途要求する必要がある
- 許可権限は進入管制業務を行う機関にあるため、以下の機関経由で許可を得る必要がある
- 管制圏内:タワー
- 情報圏内:レディオ
スペシャルVFRでの飛行方法
スペシャルVFRが許可された場合、パイロットは以下を厳守しなければならない。[AIM-J 434b]
- 雲から離れて飛行する
- 飛行視程1,500m以上を維持する
- 地表または水面を引き続き視認する
- 管制圏内では、指定周波数をモニターし、管制官の指示に従う
- 情報圏内では、許可機関と常時連絡を保つ
また、地上視程が1,500m未満となった場合には、以下のようなより厳しい運用が行われる。[434b]
- 出発機にはスペシャルVFRは許可されない
- 到着機についても、原則として緊急状態でなければ許可されない
VMCを維持できなくなったとき
VFR中に
- 天候の急変
- 雲の進入等によりVMC(有視界気象状態)を維持できない状況
に陥った場合には、パイロットは緊急事態を宣言したうえで、管制機関にレーダー誘導を要請することができる[392]。
このとき
- まだ管制機関と通信設定していない
- 最寄りの管制機関の周波数が不明
のような場合であってもであっても、緊急用周波数(121.5MHz または 243.0MHz)を用いて一方送信で援助を要請することが可能である[392][734]。
また、レーダー誘導を要請する際には、以下の情報を付け加えて通報することが望ましいとされている。
- 計器飛行証明の有無
- 搭載している計器飛行用航法計器の種類
計器飛行証明を有し、必要な装置を備えている場合は、IFRによる安全な飛行の支援を受けることができる
特に重要なのは、以下の点である。
- 管制官は、航空機がVMCを維持できるかどうかを判断することはできない
- 周辺および前方の気象状況、特に雲の状態は、パイロットから積極的に通報する必要がある
- 可能であれば、雲から離れた誘導を受けることが望ましい
これにより、管制官は可能な範囲で、より適切な支援内容を判断することができる[392]。
緊急事態においてレーダー誘導が行われる場合、通常のVFR機に対するレーダーサービスとは異なり、
- 「maintain VMC(VMCを維持せよ)」ではなく
- 最低誘導高度(MVA)以上の具体的な高度が指示される
通常、レーダー識別が完了していても、航空機がMVAに到達するまではヘディング指定による本格的な誘導は開始されない。
しかし、緊急事態にあるVFR機に対しては例外的に、
- MVA以上への上昇指示とともに
- 必要に応じて、最善と考えられる方向のアドバイス
が行われる場合があるとされている[392]。
ただし、MVAに到達するまでの間の地表および障害物との衝突回避や他の航空機との衝突回避については、すべてパイロットの責任であることが明記されている[392][711]。
衝突回避の基本
滑空機を含むVFR機は、原則として操縦者自身の目視によって他の航空機や物件との衝突を回避しながら飛行することが前提となっている。
この考え方は、空域の種類や管制の有無に左右されるものではなく、VFRにおける最も基本的な安全原則である[935]。
AIM-Jでは、管制官の助言、レーダー・アドバイザリー、TCASなどの支援手段が紹介されているものの、最終的な衝突回避は「See and Avoid」以外にないと明確に述べられている[935]。
したがって、滑空機操縦者にとっては、進路権や管制の存在を前提に安心するのではなく、常に自ら発見し、判断し、回避操作を完了させる能力が求められる。
見張り義務
操縦者は、以下の場合を除き、常に見張りを行い衝突を回避しなければならない。
これは航空法上の明確な義務であり、管制を受けているかどうかに関係なく常に求められる基本姿勢である[1021](法71条の2)。
- 国土交通大臣(管制機関)の指示に従っている航行(IFR)であるかどうかは関係ない
- 航空機外の物件を視認できない気象状態(IMC)にある場合のみが例外
- VMCで飛行している限り「管制を受けているから衝突回避は任せられる」という考え方は成り立たない
この規定は、操縦者が単に「見ているつもり」でいることを求めているのではなく、他機や物件を発見し、衝突の可能性を判断し、回避行動を取ることまで含めた能動的な見張りを要求している。
AIM-Jでは、衝突の脅威となる航空機を発見してから以下の対処を実行するまでにまでに、少なくとも12.5秒が必要とされている[935]。
- 相手機の動向を見極め
- 回避判断を行い
- 回避操作を完了する
この時間を確保するためには、できるだけ早期に相手機を発見することが不可欠であり、その前提となるのが適切な見張りである。
See and Avoid
衝突予防において最も重要な概念が「See and Avoid」である。
これは単なるスローガンではなく、人間の視覚特性と航空機の運動特性を踏まえた現実的な衝突回避原則として位置づけられている[935]。
AIM-Jでは、以下の点が具体的に示されている。
衝突コースの見極め
自機と相手機がともに直進している場合、衝突の可能性があるのは、両機が「衝突コース(collision course)」にあるときに限られる。
衝突コースとは、以下の状態を指す。
- 相手機の相対方位がほとんど変わらないまま
- 距離だけが縮まってくる状態
この場合、相手機の機影は視野内でほぼ停止して見えるため、人間の目では発見が遅れやすい[935]。
人間の視覚は、動いている物体には気付きやすい一方、動きの少ない(または止まって見える)物体を見つけるのが苦手である。
そのため、衝突コース上の相手機は、非常に危険でありながら発見が遅れがちになる。
わずかな進路変更の効果
衝突コースにある相手機を発見した場合、どちらかへわずかにヘディングを変更するだけで衝突コースは崩れ、相手機は前方または後方へ動き始める[935]。
ただし、以下のような状況では、互いに視認できない状況も生じ得る。
- 相手機が旋回している場合
- 相手機の行動が予測できない場合
- 上昇中の頭上、または降下中の真下に相手機がいる場合
このため、旋回開始や高度変更の前には、周囲および上下方向を十分に確認することが強く求められている[935]。
相対速度と見え方の変化
航空機同士の相対速度が大きい場合、相手機の見え方には特徴的な変化が生じる。
AIM-Jでは、正面から接近する航空機の例として、以下のような現象が示されている[935]。
- 衝突3秒前でも視角は0.5°程度
- 1.5秒前でも視角は約9°程度
- その直後に、突然視界いっぱいに拡大して衝突する
このため、正面から接近してくる相手機が豆粒のように小さく見えていても、決して油断してはならない。
小さく見える段階で相手機のコースを見極め、速やかな回避操作を行うことが必要である。
進路権
進路権は、衝突を防止するために航空法および施行規則で定められたルールであり、航空機はこれに従って航行しなければならない[1036](法83条)。
飛行の進路が交差または接近する場合の進路権の順位は、以下のとおりである。[1036](規則180条)
- 滑空機
- 物件を曳航している航空機
- 飛行船
- 飛行機・回転翼航空機・動力で推進している滑空機
同順位の航空機同士では、以下の規定が適用される。[1036](規則181条、規則182条、規則183条、規則184条、規則185条、規則186条)
- 右側に他機を見る航空機が進路を譲る
- 正面またはこれに近い角度で接近する場合は、双方が右へ変針する
- 追い越しは、追い越す側が前方機の右側を通過する
- 進路権を有する航空機は、進路および速度を維持する義務がある
- 最終進入経路にある航空機および着陸操作中の航空機は、飛行中・地上・水上の航空機に対して進路権を有する
- 空港等に進入中の航空機同士では、低高度機が優先される。
ただし、最終進入機の前方への割り込みや追い越しは禁止されている
上記の原則に加えて、AIM-Jでは進路権について極めて重要な注意が明記されている。
たとえ法的に進路権を有していても、他機の著しい接近に気付いた場合は、相手が避けるのを待つのではなく、自ら進路を譲るべきである[935][940]。
航空機は、以下に示す通り衝突回避に極めて不利な条件下にある。
- 3次元で運動する
- 高速で接近する
- 視界が構造物や姿勢によって制限される
そのため、進路権を主張して相手機の回避を待つことは、実運用上きわめて危険であるとされている[935]。
また、進路権に関する主張や無線での指摘は、飛行後に行うべきであり飛行中に行うべきではないと明確に示されている[940]。
このように、衝突回避においては、
- 法的な進路権の理解
- 見張り義務の厳格な履行
- 人間の視覚特性を踏まえたSee and Avoidの実践
を常に同時に意識することが、滑空機操縦者に求められている。
- 文献1:日本航空医療学会資料(https://www.aeromedical.or.jp/pilot/pdf/2002-5.pdf) <1>
- 文献2:FAA "See and Avoid" 資料(https://www.faa.gov/documentLibrary/media/Advisory_Circular/AC_90-48D.pdf)<2>
- 文献3:EASA "See and Avoid" 資料(https://www.easa.europa.eu/en/downloads/16947/en)<3>
レーダーサービス
VFR機は本来、他の航空機および地上障害物を目視によって回避しながら飛行することが原則とされている[390]。
しかしながら、近年のVFR機の運航実態を見ると、
- 官公庁機
- ドクターヘリ
- 報道・航空測量など公共性の高い飛行
- 訓練・遊覧・レジャー飛行
など、飛行目的が多様化しており、VFR機同士であっても、互いの動向把握が困難なケースが増加している[390]。
さらに、IFR機の増加により、高速で進入・出発する航空機やレーダー誘導を受けながら飛行する航空機が、滑空機の飛行する高度帯や飛行場周辺空域と交錯する機会も増えている。
このような状況を踏まえ、AIM-Jでは、VFR機も安全確保のためにレーダーサービスを積極的に利用することが望ましいとされている[390]。
レーダーサービスを利用することで、
- 管制官が管轄空域内のトラフィック状況を把握できる
- パイロットが他機に関する情報提供を受けられる
というメリットがあり、目視による衝突回避(See and Avoid)を補完する手段として有効である。
レーダー誘導の基本的な考え方は以下のとおりである。
- 原則としてパイロットの要請に基づいて実施される
- 状況によっては、管制官から誘導が示唆されることもある
- 誘導は、最低誘導高度(MVA)以上で行われる
ただし、VFR機へのレーダー誘導は、VMCを維持することを前提とした「航法上の助言」であり、
- 地表および障害物との衝突回避
- 雲や視程障害の回避
は、すべて操縦者の責任であることが明確にされている[450][620]。
そのため、指定されたヘディングに従えない場合は、
- 雲の存在
- 視程の悪化
- 地形・障害物の状況
などを速やかに通報し、ヘディングの変更を要求すべきとされている。
空域別の考え方
異常接近や空中衝突は、
- 8,000ft以下
- 飛行場から30マイル以内
の空域で発生することが多いとされている[943]。
これは、滑空機が主に飛行する高度帯および飛行場周辺空域と一致しており、滑空機の飛行は衝突リスクが高いことを示している。
このようなトラフィックの輻輳する空域では、異常接近の防止は最終的に目視による回避(See and Avoid)に頼らざるを得ないとAIM-Jは明確に述べている[943]。
そのため、
- 関連トラフィックが「どこにいるか」を把握すること
- 相手機から「見つけやすい状態」であること
の両方が重要となる[943]。
さらにAIM-Jでは、目視見張りを補完する手段として、
- VHF交信
- レーダーサービス
を積極的に活用することが、衝突回避上きわめて重要であるとしている[943]。
ICAやターミナルレーダーでカバーされている空域、すなわちTCAおよび進入管制区では、レーダー・アドバイザリーを活用することで、IFR機を含めたトラフィック情報を入手できる[943][391]。
また、タワー、レディオ、飛行援助用航空局のある飛行場周辺では、VHF交信によって周辺トラフィックの情報を入手することができる[943][394]。
通信施設のない飛行場、滑空場、場外離着陸場周辺では、航空機相互間の運用共通周波数(122.6MHz)を使用し、航空機同士で位置・高度・意向を交換する運用が望ましいとされている[943]。
TCAアドバイザリー
TCA(ターミナル管制区)および進入管制区は、
- IFR機
- VFR機
が同一空域内で混在して飛行する空域である[213]。
このためAIM-Jでは、これらの空域を「両者が安全に共存することが特に必要な空域」と位置づけており、衝突回避の観点から、VFR機が積極的にTCAアドバイザリーを受けることが望ましいとしている[391]。
TCAは、管制区の一部として国際標準のクラスE空域に分類されている[213]。
クラスE空域では、
- IFR機同士には管制間隔が設定される
- VFR機に対しては管制間隔は設定されない
という前提があるため、VFR機自身がトラフィック情報を能動的に取得することが安全確保上重要となる[213]。
TCAアドバイザリーは、
- TCA内において
- VFR機が要請し
- レーダー識別された場合
に提供される、VFR機の運航を支援するためのサービスである[391]。
提供される主な内容は以下のとおりである。
- レーダー交通情報の提供
- VFR機の要請に基づくレーダー誘導
- 当該機の位置情報の提供
- 進入順位および待機の助言
これらの業務は、あくまでVFRを前提とした支援であり、VMCの維持、地表・障害物・雲の回避についての最終責任はパイロットにある点が明確にされている[391]。
TCAアドバイザリーの利用方法(概要)
TCAアドバイザリーは、
- 出発時
- 離陸後にTCAへ入域する際
- 飛行中にTCAへ入域する場合
のいずれの段階でも要請することができる[391]。
要請時の通報内容
飛行中にTCAへ入域する場合、TCA管制席と通信設定後、以下の内容を通報してTCAアドバイザリーを要請する[391]。
- 航空機の型式
- 現在位置
- 高度
- 飛行方向または飛行経路
- 必要に応じて飛行目的
管制官から「radar contact」の通報があった時点で、当該機はレーダー識別され、TCAアドバイザリー業務の対象となる[391]。
提供不可の場合の扱い
レーダー機器の障害などによりTCAアドバイザリーが提供できない場合、管制機関からは、

UNABLE TCA ADVISORY(理由)
と通報される[391]。
レーダー誘導に関する注意点
TCA内でのレーダー誘導は、原則としてパイロットの要求に基づいて実施されるが、管制官が誘導を示唆する場合もある[391]。
このレーダー誘導は、VMCを維持することを前提とした航法上の助言であり、IFR機に対するベクターとは異なる点に注意が必要である[391]。
サービスの終了
TCAアドバイザリーは、以下の場合に終了される[391]。
- 当該機が誘導目標・飛行場・先行機を視認した旨を通報した場合
- 当該機が誘導を必要としない旨を通報した場合
- 誘導の目的が達成された場合
- 当該機がTCAを離脱する場合
- レーダー機器の障害等により継続困難となった場合
終了時には、

TCA ADVISORY TERMINATED
などの用語が使用される。
提供区域・時間に関する注意
TCAアドバイザリー業務は、飛行場ごとに提供される区域および時間が限定されている[391][943]。
そのため、常に提供されるとは限らず、事前にAIP等で確認しておくことが重要である。
タワー・レディオのある飛行場周辺
タワーまたはレディオのある飛行場周辺は、異常接近や空中衝突が多発する条件(8,000ft以下・飛行場から30NM以内)に該当する代表的な空域である[943]。
そのため、単に目視見張りを行うだけでなく、定められた通信手順・位置通報手順を確実に守ることが衝突回避の前提となる。
タワー・レディオのある飛行場周辺では、
- あらかじめ定められた進入経路・離脱経路
- 各飛行場ごとに指定された目視位置通報点
に従い、飛行場管制官またはレディオと早期に通信を確立し、周辺トラフィックの情報を入手することが求められる[943][394]。
管制圏内を通過・進入する場合の考え方
タワーが設置されている飛行場の管制圏内をVFRで通過または進入する場合、
- 事前に通過許可または進入許可を得る必要がある[556]
- VFR機に対しては管制間隔は設定されない[214]
という前提がある。
このため、管制官から提供されるのはあくまで交通情報であり、他機との間隔保持および衝突回避の最終責任はパイロットにある。
そのため実運用上は、
- 指示された高度・経路・待機指示を厳守する
- 提供された交通情報をもとに、重点的な見張りを行う
- 必要に応じて、他機を視認したかどうかを適切に通報する
といった行動が不可欠となる[214][943]。
位置通報と空中待機
VFR到着機がタワー空港に着陸する場合は、各飛行場ごとに定められた管制圏外の目視位置通報点または適切な地点で、
- 現在位置
- 高度
- パイロットの意図
- ATISを受信していればそのコード
を通報し、着陸経路の指示を受ける[341]。
他機の状況などにより直ちに着陸経路の指示が出せない場合には、目視位置通報点等での空中待機を指示されることがある[343]。
この場合、同一地点で複数機が待機する際には交通情報が提供されるが、依然として見張りと間隔保持はパイロットの責任である。
通信施設のない飛行場・滑空場周辺
通信施設(タワー・レディオ・フライトサービス)が設置されていない飛行場、滑空場、場外離着陸場周辺も、トラフィックが集中しやすく、衝突リスクが高い空域である[943]。
このような空域では、
- 航空機相互間の運用共通周波数 122.6MHz を使用する[534]
- 他機との情報交換を積極的に行う
ことが、衝突回避の基本となる。
滑空機特有の注意点
AIM-Jでは、グライダー等は受信機のみを搭載している場合があることを前提に、
- たとえ一方送信であっても
- 位置・高度・飛行経路・パイロットの意向
を通報することが望ましいとされている[534]。
特に滑空場周辺では、
- エンジン音のない航空機が複数同時に飛行している
- 上昇・旋回・進入経路が多様である
という特性があるため、無線による位置情報の共有は、目視見張りを補完する重要な手段となる[943]。
飛行場アドバイザリー業務(レディオ)
飛行場管制業務が行われていないが、情報圏が指定されている飛行場では、飛行場対空援助業務(飛行場アドバイザリー業務)が提供されている[317]。
この業務では、
- 気象情報
- 使用滑走路の推奨
- トラフィック情報
- 飛行場状態
など、飛行の安全と円滑な運航に必要な情報が提供される[241]。
ただし、レディオが使用する用語(例:「RUNWAY IS CLEAR」「RADIO ADVISES」など)は、管制官の許可や指示を意味するものではない点に注意が必要である[317]。
離着陸の可否判断や間隔保持は、すべて操縦者の責任で行う。
フライトサービス(飛行援助用航空局)
飛行援助用航空局(フライトサービス)が設置されている飛行場等では、
- 気象状況
- 滑走路の状況
- トラフィックの状況
といった情報を入手することができる[318][245]。
フライトサービスは管制機関ではないため、
- 特別な交信要領は定められていない
- 日常的な表現で情報交換が可能
であるが、使用目的は航空機の飛行援助に限られる[318]。
また、割り当て周波数は他の無線局と共通の場合があるため、呼び出し相手のコールサインを正確に使用することが求められる[318]。
着陸時の位置通報
通信施設のない飛行場では、着陸にあたり、
- 122.6MHzによる一方送信での位置・高度・飛行経路の通報
- 飛行場上空での風向指示器等による着陸方向の確認
- 滑走路上に障害物がないことの確認
を行ったうえで、トラフィックパターンを経由して着陸することが原則とされている[341]。
他のVFR機が飛行している場合には、相互に情報を交換し合うことが望ましい。
その他の期待できるレーダーサービス
TCA(ターミナル管制区)以外にも、日本の空域では以下のようなレーダーを用いた管制・監視体制が整備されており、状況に応じてVFR機に対するレーダーサービスが提供される場合がある。
- 空港監視レーダー(ASR)
- 航空路監視レーダー(ARSR)
- 洋上航空路監視レーダー(ORSR)
- 広域マルチラテレーション(WAM)
- 防空用レーダー
これらのレーダーは、それぞれ異なる目的・覆域を持つが、管制機関において航空機の位置把握や交通情報提供に活用されている[392][126][127][128]。
これらのレーダーを運用する空域では、
- IFR機(定期便を含む)
- 自衛隊機
が頻繁に飛行していることが明記されている。
そのため、これらの空域を飛行するVFR機についても、安全確保の観点から管制機関へ積極的にコンタクトし、交通情報の提供を受けることが望ましいとされている[392]。
ただし、TCAとは異なり、VFR機に対するレーダーサービスは常に提供されるものではない点に注意が必要である。
AIM-Jでは、以下の要因によってサービス提供の可否・内容が制限されることが明確に示されている。
- 当該空域の航空交通量
- 管制官の業務量
- 通信量
- 通信覆域(レーダー・無線の有効範囲)
そのため、VFR機がコンタクトした場合でも、実施可能な範囲内での情報提供にとどまることを前提として運用する必要がある[392]。
このように、TCA以外の空域におけるレーダーサービスは、
- 常時保証されるものではない
- あくまで可能な範囲での支援である
- 最終的な安全確保責任はパイロットにある
という前提のもとで活用すべきものであり、特にVFR中の緊急事態では、早期の通報と正確な状況伝達が、利用可能な支援の幅を大きく左右することを理解しておく必要がある[392][711][734]。
レーダーサービスは、VFRにおける「See and Avoid」を代替するものではなく、補完する手段として位置づけられている。
滑空機操縦者にとっては、目視による見張りを前提としたうえで、空域特性に応じてレーダーサービスや無線交信を適切に活用することが、実運用上きわめて重要である。
異常接近・衝突のおそれがあった場合の対応
飛行中に衝突または接触のおそれがあった場合は、
- 「異常接近通報」
- “NEAR COLLISION REPORT”
の語を付して、速やかに無線で通報する必要がある[1028g]。
通報内容には、
- 位置、高度、針路、速度
- 相手機の特徴
- 水平距離・高度差
などが含まれる。
また、着陸後速やかに 異常接近報告書を提出する義務がある[1028](法76条の2)。
おわりに
本記事では、自家用操縦士(上級滑空機)を目指す学習者向けに、AIM-Jに散在して記載されている有視界飛行方式に関する諸規則の全体像を整理した。
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↓まとめ
VFRは「計器飛行方式(IFR)以外の飛行方式」として定義されているため、VFRの定義を理解するためにはIFRの定義を理解しなければならない
IFRの基本的な考え方
計器飛行方式(IFR)とは、以下のような飛行方式である
- 航空交通管制(ATC)のクリアランスを受け
- 常に管制官の指示に従って飛行する
上記の定義をひっくり返したものが有視界飛行方式(VFR)の定義になる
管制機関による間隔の確保
IFRで飛行する航空機については、管制機関により他のIFR機との間に一定以上の間隔が確保される
また、離着陸時およびパイロットの目視による飛行が行われる場合を除き、地表面および地上障害物との間隔も、承認された飛行方式によって保障されている。
これは、衝突回避については常にパイロット自身が責任を負うことが明確にされているVFRとの大きな違いである。
※ ただし、AIM-Jでは「飛行中、外部の視認が不可能な気象状態である場合を除きパイロットは常に外部を目視で監視し、衝突を避けなければならない」という点も明確にされており、IFRではパイロットに衝突回避の責任が全くなくなるという意味ではないことを示している。
計器飛行とは何か
一方で 計器飛行(instrument flight) とは、
- 航空機の姿勢
- 高度
- 位置
- 針路
を、機外の目視に頼らず、計器のみに依存して行う飛行を指す。
つまり、
- 計器飛行=操縦の方法
- 計器飛行方式(IFR)=管制との関係を含めた飛行方式
という関係になる。
IFRと気象条件の関係
IFRによる飛行は、離着陸を除き飛行中は法律上、気象条件による制約を受けない。
そのため、有視界気象状態(VMC)でも計器気象状態(IMC)でもIFRとして飛行することが可能である。
ただし、実際の気象状態がIMCである場合にはVFRは許可されていないので、結果として計器飛行を行うことになりる。
逆に言うと、IFRであっても実際の気象状態がVMCであれば姿勢のコントロールなどは機外を目視しつつ行うし、その場合でも外部監視を行い他機との衝突回避に努める義務があるため、IFRだからと言って常に計器飛行をしているわけではない
パイロットの資格要件
自家用操縦士、事業用操縦士、飛行機以外の航空機の定期運送用操縦士が以下のいずれかを行う場合、当該航空機の種類に係る計器飛行証明が必要になる。
- 計器飛行
- 110km または 30分を超える計器航法による飛行
- 計器飛行方式(IFR)による飛行
自家用操縦士(上滑)のライセンスを取得し、グライダーに必要な計器を搭載したからと言って、すぐに計器飛行をしていいわけではない。
まとめ
- 計器飛行方式(IFR)は「計器で飛ぶこと」そのものではなく「管制機関によって承認された飛行計画の元、管制の指示に従って飛ぶ飛行方式」である
- 計器飛行は「航空機の姿勢、高度、位置、針路を、機外の目視に頼らず、計器のみに依存して行う」という操縦方法の一つ
- IFRでもVMC下では目視飛行を行う場面がある
- VFRとの最大の違いは責任の所在と、管制との関係
| 観点 | VFR | IFR |
|---|---|---|
| 飛行方式の本質 | 目視を前提とした自己責任 | 管制指示に従う飛行方式 |
| 気象条件 | VMCでのみ可能 | 法律上は制約なし |
| 間隔確保 | パイロット自身 | 管制機関が確保 |
| 計器飛行 | 必須ではない | 状況により実施 |
| 管制との関係 | 原則自由(例外あり) | 常時指示に従う |
参考文献 / 関連法規
AIM-J(2024年版)
散らばりっぷりがすごい
| AIM-J | タイトル |
|---|---|
| 124 | 飛行援助通信組織 |
| 126 | ARSR / ORSR / WAM |
| 127 | ASR |
| 128 | 防空用レーダー網 |
| 213 | 航空交通管制区および進入管制区 |
| 215 | 航空交通情報圏 |
| 216 | 特別管制空域と特別管制区 |
| 218 | 飛行規制空域 |
| 219 | 防空識別圏 |
| 241 | 飛行場対空援助局 |
| 242 | 広域対空援助局 |
| 245 | 飛行援助用航空局 |
| 281 | 有視界飛行方式 |
| 317 | 飛行場アドバイザリー業務 |
| 318 | フライトサービスによる情報の提供 |
| 341 | VFR 到着機の位置通報 |
| 343 | VFR 機の空中待機 |
| 365 | 航空機の灯火 |
| 390 | VFR機に対するレーダーサービス |
| 391 | TCAアドバイザリーサービス |
| 392 | その他の期待できるレーダーサービス |
| 393 | レーダー管制機関との交信要領 |
| 394 | VFR機の交信例 |
| 424 | 高度の指定と高度制限 |
| 434 | スペシャル VFR のクリアランス |
| 503 | エンルート情報 |
| 511 | 巡航高度/垂直間隔 |
| 534 | 航空機間の通信 |
| 544 | 訓練/試験空域内の飛行 |
| 555 | VFR 機の巡航とポジション・リポート |
| 556 | 管制圏における飛行 |
| 557 | 情報圏における飛行 |
| 558 | VFRによる特別管制区の飛行 |
| 711 | VFR機に対する救援サービス |
| 734 | 遭難および緊急の通報 |
| 783 | ロストポジション時の措置 |
| 823 | 広域対空援助局による気象情報の提供 |
| 832 | VMC |
| 890 | パイロットの気象報告 |
| 893 | タービュランスのPIREP |
| 935 | 空中衝突の予防 |
| 940 | VFRフライトの事故原因と対策 |
| 943 | トラフィックの輻輳する空域でのVFR飛行 |
| 966 | 飛行中の視覚 |
| 1002 | 定義 |
| 1021 | 操縦者の見張り義務 |
| 1028 | 報告の義務 |
| 1031 | 飛行の禁止区域 |
| 1034 | 巡航高度および高度計規正 |
| 1036 | 衝突予防等 |
| 1048 | 計器気象状態における飛行 |
| 1049 | 計器飛行方式による飛行 |
| 1051 | 航空交通管制圏における飛行 |
| 1053 | 航空交通情報を入手するための連絡および聴取 |
航空法(法)
| 条番号 | タイトル | 概要 |
|---|---|---|
| 第七十一条の二 | 操縦者の見張り義務 | 操縦者は、視認不能な気象状態を除き、常に衝突防止のための見張りを行わなければならない。 |
| 第七十六条 | 報告の義務 | 事故が発生した場合、機長(又は使用者)は国土交通大臣へ報告しなければならない。 |
| 第七十六条の二 | NA | 衝突のおそれ等の事故発生が懸念される事態について、機長は報告義務を負う。 |
| 第八十条 | 飛行の禁止区域 | 危険が生ずるおそれのある指定区域上空の飛行は、原則として禁止される。 |
| 第八十一条 | 最低安全高度 | 離着陸時を除き、航空機は定められた最低安全高度以上で飛行しなければならない。 |
| 第八十二条 | 巡航高度 | 一定高度以上で巡航する場合、定められた巡航高度を守る必要がある。 |
| 第八十二条の二 | 航空交通管制圏等における速度の制限 | 指定空域では、定められた最高速度を超えて飛行してはならない。 |
| 第八十三条 | 衝突予防等 | 航空機は、衝突防止と離着陸の安全確保のため、定められた航行方法に従う必要がある。 |
| 第九十四条の二 | 計器飛行方式による飛行 | 指定空域や一定高度以上では、原則として計器飛行方式で飛行しなければならない。 |
| 第九十五条 | 航空交通管制圏における飛行 | 航空交通管制圏では、定められた種類の飛行のみが認められる。 |
| 第九十六条 | 航空交通の指示 | 管制区・管制圏等では、航空機は航空交通管制の指示に従わなければならない。 |
| 第九十六条の二 | 航空交通情報の入手のための連絡 | 航空交通情報圏等では、他機の情報を得るため所定の連絡を行った上で飛行する必要がある。 |
航空法施行規則(規則)
| 条番号 | タイトル | 概要 |
|---|---|---|
| 第百六十五条 | 事故に関する報告 | 機長又は使用者が、事故発生時に国土交通大臣へ報告すべき事項を定めている。 |
| 第百六十五条の二 | NA | 航空機内にある者の死亡が報告対象となる場合の範囲を定めている。 |
| 第百六十五条の三 | NA | 航空機の損傷のうち、報告対象となる事故の範囲を定めている。 |
| 第百六十六条の四 | 事故が発生するおそれがあると認められる事態の報告 | 事故が発生するおそれがあるとして報告すべき具体的な事態を定めている。 |
| 第百六十六条の五 | NA | 事故発生のおそれがある事態について、機長が報告すべき事項を定めている。 |
| 第百七十三条 | 飛行の禁止区域 | 飛行禁止区域および飛行制限区域の区分と指定方法を定めている。 |
| 第百七十三条の二 | 飛行禁止区域又は飛行制限区域の飛行の許可 | 飛行禁止区域等での飛行許可を受けるための申請事項を定めている。 |
| 第百七十四条 | 最低安全高度 | 航空機が守るべき最低安全高度の具体的基準を定めている。 |
| 第百七十七条 | 巡航高度 | 飛行方向および航空機の種類に応じた巡航高度を定めている。 |
| 第百七十八条 | 気圧高度計の規正 | 機長が行うべき気圧高度計の規正方法を定めている。 |
| 第百八十条 | 進路権 | 航空機同士が接近・交差する場合の進路権の優先順位を定めている。 |
| 第百八十一条 | NA | 同順位の航空機が接近した場合の進路譲渡の原則を定めている。 |
| 第百八十二条 | NA | 正面又はほぼ正面で接近する航空機同士の回避方法を定めている。 |
| 第百八十三条 | NA | 着陸中または最終進入中の航空機が有する進路権を定めている。 |
| 第百八十四条 | NA | 空港等に進入中の航空機同士における進路権の基準を定めている。 |
| 第百八十五条 | NA | 他の航空機を追い越す際の通過方向を定めている。 |
| 第百八十六条 | NA | 進路権を有する航空機が進路および速度を維持すべきことを定めている。 |
| 第百八十七条 | 間隔の維持 | 他の航空機と近接して飛行する際の安全な間隔維持義務を定めている。 |
| 第百八十八条 | 地上移動 | 空港等内で航空機が地上移動する際の基準を定めている。 |
| 第百八十九条 | 空港等付近の航行方法 | 空港等およびその周辺で航空機が従うべき航行基準を定めている。 |
| 第百九十一条 | 緊急の場合の特例 | 他の航空機が緊急状態にある場合の優先的な航行配慮を定めている。 |
| 第百九十八条の五 | 特別管制空域の指定の基準等 | 特別管制空域を指定する際の区分および基準を定めている。 |
| 第百九十八条の六 | 法第九十四条の二第一項の国土交通省令で定める高さ | 計器飛行方式が義務付けられる空域の高さを定めている。 |
| 第百九十八条の七 | 法第九十四条の二第一項の国土交通省令で定める高さ以上の空域における同項ただし書の規定による許可の基準 | 高高度空域で例外的に許可を与える場合の基準を定めている。 |
| 第百九十八条の八 | 法第九十四条の二第一項ただし書の規定による許可を受けた場合の飛行の方法 | 特別な許可を受けた場合の飛行方法および安全確保条件を定めている。 |
| 第百九十八条の十二 | 訓練試験等計画の承認を受けなければならない飛行 | 事前に計画承認が必要となる訓練・操縦練習飛行の種類を定めている。 |
| 第二百二条の四 | 航空交通情報の入手のための連絡 | 管制圏等で飛行する際に連絡すべき航空交通情報提供機関を定めている。 |
| 第二百二条の五 | 連絡又は情報の聴取が困難な場合 | 航空交通情報の連絡や聴取が困難と認められる具体的な場合を定めている。 |



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