XFLR5で三次元翼を解析して結果を出力する

XFLR5で三次元翼を解析,結果を出力する方法について説明する

XFLR5とは

XFLR5とは,低レイノルズ数領域での,翼型や翼,機体全体の解析を行うフリーソフトであり,多くの鳥人間チームの設計で使われている

>>XFLR5のホームページ

日本語で書かれた解説は,下のサイトがわかりやすい

>>フリーの翼型解析ソフトXFLR5の使い方 – ina111’s blog

二次元翼の解析は次の記事(≫XFLR5で二次元翼を解析して結果を出力する)で解説している

詳しくはXFLR5のダウンロードページからダウンロードできる「Guidelines.pdf」を読んでもらいたい

というか必ず「Guidelines.pdf」を読んでもらいたい

解析する翼の準備

解析する翼型の準備は,3つの手順に分けられる

  1. 翼に使う翼型をあらかじめ解析しておく
  2. エクセルシートから翼を*.xwimp形式で出力する
  3. XFLR5にインポートする

以下,順を追って説明する

翼に使う翼型をあらかじめ解析しておく

翼に使うすべての翼型を,飛行中に取りうるすべての迎角,Re数で解析しておく

とりあえず迎角は-10度から20度,Re数は100’000から1000’000くらいまでやっておけば問題ないと思う

具体的な方法は次の記事(≫XFLR5で二次元翼を解析して結果を出力する)を参考にしてほしい

エクセルシートから翼を*.xwimp形式で出力する

設計シートから翼のデータを出力するが,そもそもXFLR5ではどのような形式で翼のデータが保存されているのだろうか

「File→Wing and Plane Design」を選択

「Plane→Define a New Plane」を選択

「Main Wing→Define」を選択

デフォルトの翼が表示されているので,適当に翼の形をいじってから「Other→Export Wing to File…」を選択

適当な名前を入力して保存する

ダウンロードした*.xwimpファイルをメモ帳で開いてみると,次の形式で保存されていることがわかる

1行目
ファイル名

2行目以降
y[m] chord[m] offset[m] dihedral[deg] twist[deg] X-panels Y-panels X-dist Y-dist foil foil

  • y[m]:翼中心からの距離
  • chord[m]:コード長
  • offset[m]:前縁がオフセットされている距離
  • dihedral[deg]:上反角
  • twist[deg]:ねじり
  • X-panels:コード方向の分割数
  • Y-panels:セミスパンの分割数
  • X-Dist,Y-Dist:よくわからん
  • foil:翼型

というわけでこの形式になるような*.xwimpファイルを作成する

例えば次のようなプログラムを使う

ファイルの出力については次のサイトを参考にした

CSVファイルを読み込む

CSV ファイルの書き込みと保存

Sub XFLR5出力()
'定数
Const sta As Integer = 6 '断面数
'変数の宣言
Dim y(sta) As Double
Dim z(sta) As Double
Dim chord(sta) As Double
Dim offset(sta) As Double
Dim dihedral(sta) As Double
Dim twist(sta) As Double
Dim X_panels(sta) As Integer
Dim Y_panels(sta) As Integer
Dim X_dist As Integer: X_dist = 0
Dim Y_dist As Integer: Y_dist = 0
Dim foil_name(sta) As String
Dim file_name As String
'一般
Dim num As Double
Dim pi As Double: pi = 4 * Atn(1) '円周率
Dim rad As Double: rad = (pi / 180) 'degからradへの変換
Dim deg As Double: deg = (180 / pi) 'radからdegへの変換
'カウンター
Dim i As Integer
Dim j As Integer

file_name = Range("D36") 'ファイル名

For i = 0 To sta 'テーパーの変わり目のループ
    num = Cells(6 + i, 13) '値の読み込み
    y(i) = Cells(45 + num, 6) 'y座標 [m]
    z(i) = Cells(45 + num, 29) 'z座標 [m]
    chord(i) = Cells(45 + num, 16) 'コード長 [m]
    offset(i) = -Cells(45 + num, 17) '前縁位置 [m]
    twist(i) = Cells(45 + num, 31) '取り付け角 [deg]
    If Cells(45 + num, 11) <> 0 Then
        foil_name(i) = Range("D37")
    Else
        foil_name(i) = Range("D38") '翼型名
    End If
    X_panels(i) = Range("AR5") 'コード分割数
    Y_panels(i) = Cells(6 + i + 1, 13) - Cells(6 + i, 13) 'セミスパン分割数    
Next i
    
file_name = file_name & ".xwimp" 'ファイル名を作成
Open ThisWorkbook.Path & "\" & file_name For Output As #1 'txtファイルを書き出し専用で開く
buf = file_name
Print #1, buf '1行目にファイル名を書き込み
For i = 0 To sta
    If i < sta Then
        If y(i + 1) <> y(i) Then
            dihedral(i) = deg * Atn((z(i + 1) - z(i)) / (y(i + 1) - y(i))) '上反角[deg]
        Else
            dihedral(i) = dihedral(i - 1)
        End If
    Else
        dihedral(i) = dihedral(i - 1)
    End If
    'txtファイルに書き込み
    buf = ""
    buf = buf & Format(y(i), "0.000") & space(1) & Format(chord(i), "0.000") & space(1) & Format(offset(i), "0.000") & space(1) & Format(dihedral(i), "0.000") & space(1) & Format(twist(i), "0.000") & space(1) & Str(X_panels(i)) & space(1) & Str(Y_panels(i)) & space(1) & Str(X_dist) & space(1) & Str(Y_dist) & space(1) & foil_name(i) & space(1) & foil_name(i) & space(1)
    Print #1, buf
Next i
Close #1

End Sub

このプログラムを実行すれば0.0数秒で次のようなファイルを出力できる

XFLR5にインポートする

「Define a New Plane→Main Wing→Define→Other→Import Wing from File…」を選択

設計シートから出力したファイルを選択し,開く

翼がインポートされるので,「Save and Close」を選択

今回は主翼のみの計算を行うので「Elevator」と「Fin」のチェックを外しておく

「OK」を選択

これで設計シートからXFLR5へ翼を出力することができた

これでXFLR5で解析するための翼のデータの準備が整った

XFLR5で三次元翼型を解析する

「Analysis→Define an Analysis」を選択

「Porlar Type」で解析のタイプと自由流の速度を入力する

「Analysis」で解析手法を選択する

解析手法によってCmの計算方法や粘性の取り扱い,得手不得手などが異なるので記事の最初にあげた文献を参考にして決める

今回はLLTを使うことにする

解析の設定を入力したら「Analize」をクリック

解析が終了したら「Close」を選択

解析結果を見る

「Polar View」で解析結果を見ることができる

他の操作は2次元のときと変わらないので次の記事(≫XFLR5で二次元翼を解析して結果を出力する)を参考にしてほしい

翼の解析結果を出力する

最後に,「Analysis」で解析したデータを出力する

「Polars→Export all polars」を選択,保存したいフォルダーを選択すれば*.txtファイルが保存される

設計シートの計算結果との比較

ここからは次の記事で作った設計シートのプログラムとXFLR5の計算結果を比較することで,設計シートのプログラムの妥当性を検討していく

主翼

まずは設計シートで計算した飛行時の翼の形状を出力してXFLR5(LLT)で解析したものと,設計シートで計算したものを比較してみる

CL,CDはそれなりに一致しているが,Cmはかなり違う値が出てしまっている

設計シートのプログラムとXFLR5の一番の違いは,設計シートではたわみやねじれを迎角ごとに計算しなおしていることに対して,XFLR5ではすべての迎角で最初に入力されたたわみとねじれを使って計算していることである

そこで,下の画像のように主翼桁に上反角をつけ,設計シートでたわみやねじれを計算しなかった場合と,XFLR5の計算結果との結果を比べてみる

結果は次のようになった

ねじれがなくなったぶんCLやCDはさらによく一致し,Cmも傾向は近いものになった

たわみとねじれを計算したときにCmがかけ離れてしまった原因は,翼のたわみにある

例えば速度一定(巡航速度)で迎角10度で飛行した場合,翼には1.5倍の揚力が働き,翼端のたわみは1.5mから2.5mにまで増加する

たわみが大きくなると,空気力のT方向成分によるねじり(高迎角時にはねじり下げ)も大きくなるため,Cmの計算結果はXFLR5の計算結果とかなり異なるものになってしまう

たわみとねじれを計算しなかった場合のCmの計算結果の違いはおそらく翼型データを最小二乗法で近似したときの精度の影響である

Cmのグラフの近似の精度はClやCdに比べてかなり低くなってしまっている

ちなみに,同じXFLR5でも,解析手法(LLTとVLM)によって次の図のような差は出てしまう

以上のもろもろの比較と,設計シート導入によるメリットを考慮した結果,筆者は設計シートのプログラムは妥当であると判断した

尾翼

水平尾翼も同様に設計シートのプログラムとXFLR5(VLM)の結果を比較してみる

CL,CDiは非常によく一致し,CDも迎角が小さい範囲ではよく一致している

筆者は設計シートのプログラムは妥当であると判断した

まとめ

設計シートのプログラムの計算結果をXFLR5の結果と比較することで妥当性を確認した

XFLR5自体も十分に奥が深いソフトなので,先輩から教わった操作方法を鵜呑みにするだけでは満足せず,ぜひ自分の目でガイドラインを読んだりして理解を深めてほしい


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